セールスドライバーの配達日記 セールスドライバーの配達日記 宅配便でーす
シャチハタは玄関に
 
 
2001年4月16日  一日一善  
 
4月○日。
ある荷主さんに集荷に伺った時の事。

この荷主さんエレベーター無しのビルの3階にあるのですが、
ここ3階と言ってもタダの3階じゃないのです。

まず、天井が高いので、階段の段数が多い多い!
さらに10m四方の吹き抜けを囲うような形で階段があるので、
歩く距離も半端じゃない。
しかもこの荷主さん、3階まで上がって廊下のず〜〜っと奥にあるのです。
単に3階と言っても実質普通のビルの5階か6階位の労力がかかります。

ここ、たまにダンボール10ケースとか荷物が出るときがあるのですが、そんな時はハマリ確定。
我々SD泣かせの荷主さんなのです。

で、その日もいつもの様に「大量のダンボールだけは堪忍してくれよ〜〜」と祈りつつ
PP片手にダッシュでビルに突入。
階段を駆け上がろうとした時、目の前で異様な光景を目撃しました。

ダンボール箱30ケースほど、階段の下に山積み。
どうやら、コピー用紙か封筒。見たからに重そう・・・

*コピー用紙。見た目は小さな箱ですが、ぎっしりと詰った紙は死ぬほど重いのです。

どこかの業者がこれを今から3階まで上げるみたい。多分俺が今から行く荷主さんとこ。
「気の毒やなぁ、これ運ぶ業者・・・まさに地獄の始まりやで〜〜!」( ̄ー ̄)ニヤリッ
クックックックックッ〜〜(笑)他人の不幸は蜜の味。
腹の中で笑いながら無視して通りすぎようとしたのですが・・・

荷物の陰に中年女性が一人。

「ん・・・?ま・さ・か・・・?」

な、なんと!このダンボール、「よっこらしょっ!!」と、中年のオバちゃんが運ぼうとしていたのです!

俺、思わず立ち止まってその光景を眺めてしまいました・・・
1回で何個運ぶんやろ・・・?

で、とりあえず聞いてみました。
「ねえねえ、オバちゃん。これ、今から一人で運ぶん??」
いや、絶対にもう一人男のドライバーがいてるはずやぁ!!?
そうやろ〜〜〜?オバちゃんここの階段の辛さ知ってるの〜〜?

しかし、返って来た言葉は・・・
「そうやね〜〜ん。まぁ時間あるし、ゆっくり運ぶわ〜〜!」(汗〜〜)

「・・・・・・」(茫然)

オバちゃん開き直ってるみたいで逆に元気そう・・・
それも今のうちやろうけど。
これだけの荷物、集配サイボーグの我々でも一人で運ぶのは苦しい・・・
絶対に応援呼ぶはずの量や。

「マジですかぁ???一人ですかぁ?そしたらチョットだけ手伝いますわぁ!!」
俺も集荷時間帯で一応は忙しい・・・
でも、どっちみち、手ぶらで3階まで上がるのでとりあえず、3ケースだけ運んであげることにしました。

「ありがと〜〜!助かるわぁ〜〜」
オバちゃん感謝感激状態。

3階に上がり集荷先に到着。その荷物を下ろし、
書類3通ほどを軽々と集荷し、1階に戻るが・・・
やっぱりさっきの荷物、ほとんど残っとる。
オバちゃん、ヒィヒィ言いながら笑顔で会釈。
荷物抱えながら階段上ろうとしてる・・・

只今3時40分・・・

「う〜〜ん。どないしょ・・・」
次の集荷先に向いたい。でもちょっぴり時間に余裕はある・・・
しかも俺は男や。バリバリに充実しきった30代前半の肉体。
かたや40代後半か50代の女性。
これを見過ごしていいものか・・・?
いや、やっぱアカンやろぉ・・・?

決断!
こんなもん、無視できますかいなぁ!手伝いましたわぁ!
この状況見て何も感じひんのは男やない!
「しゃーない!オバちゃん、全部3階に上げるまで手伝うわ!俺!」
しゃーない=仕方ない

「いいよ〜〜!ク○ネコさん忙しいやろ〜〜?ゆっくり運ぶから〜〜!」

「かまへん、かまへん!こんなん見てられまっかいなぁ〜〜!
女の人のする仕事ちゃいまっせ〜〜!」

(↑構いません構いません、こんなの見てられませんよ。女性のする仕事じゃないですよ!)
背後にオバちゃんの声を聞きながら階段ダッシュ!

「フゥンガァ〜〜〜!」(荷物抱える時の気合入れる声)

俺3ケースずつ、オバちゃん2ケースずつ。
そら、もう、重い重い!
腹の前に3ケース、両手で積み上げて、顔はアントニオ猪木状態!
眉間に皺寄せて、般若みたいなツラして!
5往復!合計15ケース運ぶの手伝わせていただきましたわ!

全て3階まで上げ終えると、オバちゃん
「ありがと〜〜 ジュースでも奢るわ〜〜〜!ハァハァハァ・・・」
確かに相当オバちゃんにとっては助かってるはず。
もし逆の立場やったらこんなにうれしい事はない。

しかし!
「いらんいらん!そんなもん!困った時はお互い様や。
今度来る時は男のドライバー連れてくるねんで!ほなぁ〜〜〜!」

というセリフを残して風の様に去っていく俺。
かっこよすぎる・・・

お陰で車の中で一服する時間なくなってしまったけど、いい汗かいた。
一日一善や!

それにしても、俺もお人よしやなぁ・・・
俺の長所であり短所。
オバちゃんといえども女性に優しすぎる・・・

営業所に帰車後、グループ長にこの事話したら・・・
「自分偉いなぁ・・・ 俺やったら絶対無視するけどなぁ・・・ 忙しいやろ?俺らも・・・」

「・・・マジですかぁ・・・!?」
お、鬼や、ウチのG長・・・
 
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