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●log no.1001-0100 2002/07/07 14:04 - 2002/09/04 10:42


1001 沖縄通信・シンポジウム「写真の記憶 写真の創造-東松照明と沖縄」 蔵 真墨 2002/07/07 14:04

沖縄は青い空に白い雲、紫外線がきついです。昨日、上記のシンポジウムに行ってきました。1部はパネリストに島尾伸三、石内都、石川真生、比嘉豊光、コーディネーターは仲里効。2部はパネリスト東松照明、荒木経惟、森山大道、中平卓馬、コーディネーター港千尋。250名定員の会場は満員に立ち見多数。モニターでシンポジウムの模様を見られる部屋も満席で、会場ロビーにある別のモニターも、またワールドカップ?というような人だかりでした。沖縄の方よりも東京から来ている写真関係者や写真学生が多いようでした。1部では石川さんがスパーク!2部では4人のパネリストがそれぞれなんで沖縄なのかという話、「沖縄を撮る」のか「沖縄で撮る」のかということについてなど。シンポジウムの終わりに4人が壇上で並んだ時にはモデル撮影会の様相でみんな前に出てストロボを浴びせかけまくっていました。以上、おおまかですが。シンポジウムの詳しい内容はまたどこかでお伝えできる機会があると思いますので。pgメンバーのほとんどは明日、8日東京へ戻ります。


1002 「変身アート」展 @群馬県立近代美術館 7/20-9/1 深川雅文 2002/07/07 14:17

  この展覧会のチケットには、森村泰昌のアーティストとしての重要な転換点となった作品「肖像(ファン・ゴッホ)」(1985)が使われていて、眼を引いた展覧会です。 この作品は、今日の森村泰昌の原点として知られるに至っていますが、なかなか実作を拝見することはできないからです。ちなみに、所蔵は大阪の国立国際美術館です。 「変身」はたしかに、現代美術の現象のひとつとして重要な側面だと思われますので、テーマとしてはタイムリーではないでしょうか。本展で紹介される作家は次の17名です(折元立身が入っていてもいいような気がしますが)。 セザール 立石大河亞  ロイ・リキテンスタイン 森村泰昌 ジム・ダイン 岩崎永人  トニー・クラッグ 戸高千世子 草間彌生 青木世一  三島喜美代 今道子  伊藤隆康 おっと  郭徳俊 福田美蘭  LOCO この展覧会は副題に「こどもとおとなの美術入門」とあり、夏休みにこどもも美術を楽しむことができるようなプログラムのようです。変身アートのワークショップもあります。楽しそうです。 さて、今日は七夕。川崎市市民ミュージアムでは、森村泰昌写真展が本日まで。午前中から多くの観覧者が見え賑わいを見せています。その観覧者のなかに混じって、森村さんは、ご自身の展覧会を写真で撮影していたりします。女優家Mだけでなく、写真家Mも同居しているわけです。明日から、森村さんとご一緒に展示の片づけ作業に入ります。M式ジオラマがなくなってしまうのは心惜しい気もしますね。 群馬県立近代美術館 高崎市岩鼻町239 027-346-5560
http://www.edu-c.pref.gunma.jp/kyoui/bijutu/


1003 京都で韓日写真交流展 「Asian Crossing: vol.1 韓国×日本」京都展 京都芸術センター -7/12 深川雅文 2002/07/08 22:59

http://www.kac.or.jp 埼玉県立近代美術館で韓国現代写真展「パラム・サラム」展が開催中だが、西の京都では韓日交流写真展が開催中である。案内によると…以下引用 写真交流展 Asian Crossing は、アジア各国との国際交流展。2002年を第一回として、今後3年毎に京都/アジア県内の1都市を結び、現代写真芸術を通じて芸術家交流と文化交流の場を提案します。 出品作家26名。 京都芸術センター 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 075-213-1000 http://www.kac.or.jp ところで、埼玉県立近代美術館で開催中の韓国現代写真展の関連イベントとしてシンポジウムが開催される。7/13(土)13時30分より。展覧会の監修者のキム・スーゴン氏と日本側から飯沢耕太郎氏、それに出品作家。出品参加も多数、同席するという。僕もシンポジウムを見にいくつもりだ。


1004 石田喜一郎とシドニーカメラサークル 渋谷区立松濤美術館 7/23-9/8 深川雅文 2002/07/08 23:01

 松濤美術館は、日本の近代写真の歴史に目を向け、「野島康三とその時代」(1991)、「モダンフォトグラフィ中山岩太」(1997)などの展覧会を開催してきた。こうした展覧会の調査の過程で、標記の石田喜一郎の作品も発見され、コレクションとして収集するに至っている。    石田喜一郎は秋田県生まれのアマチュア写真家で、仕事でシドニーに渡ったときに現地のカメラサークルに加入し、ビクトリアリズムの運動に参加したという。主要作品130点とオーストラリアで彼が交流をもった現地の作家たちの作品約30点を展示する。渋谷の後、秋田とシドニーに巡回する。地道な研究調査によって組み立てられた展覧会である。   渋谷区松濤美術館 渋谷区松濤2-14-14 03-3465-9421


1006 竹内万里子さんから「第33回アルル写真祭」速報。 笹岡啓子 2002/07/09 11:17

沖縄も写真の熱気で盛り上がっていますが、フランスではアルル写真祭が7月6日から開催されています。その「第33回アルル写真祭」の模様を竹内万里子さんが現地からレポートしてくださっています。→→→「写真/覚書」


1007 「≒森山大道」DVD/VHS発売。 笹岡啓子 2002/07/09 11:25

写真家 森山大道氏のドキュメンタリー映画「≒森山大道」がDVD/VHSにて、7月25日に発売されます。 詳しくはこちらをご覧下さい。http://www.bbb-inc.co.jp/daido/


1008 アルルレポート更新。 笹岡啓子 2002/07/10 17:55

竹内万里子さんがレポートする「第33回アルル写真祭」。一般公開されたスライドショーの模様を更新しました。→→→「写真/覚書」


1009 富士フォトサロン開設45周年記念展「木村伊兵衛 昭和の人と街」 7/19-7/25 深川雅文 2002/07/10 22:24

木村伊兵衛の作品が一挙に160点展示される。案内文によると…「昭和の人と街を温かいまなざしで見つめ、数々の忘れがたい作品を残した木村伊兵衛。富士フォトサロンでは、開設45周年を記念して、同サロンとも関係の深かった巨匠・木村伊兵衛の名作160点余を集大成した 『昭和の人と街』展を開催します。」 入場料無料。開催期間が7日間しかないので、要注意。 富士フォトサロン スペース1.2.3. 中央区銀座5-1 銀座ファイブ 二階 03-3571-9411


1010 サイトグラフィックス考 その6  深川雅文 2002/07/10 22:26

サイトグラフィックス考 その6 深川雅文

「サイトグラフィックス」という写真表現の文脈を考えるうえでどうしても避けて通れない作家がいる。アンドレアス・グルスキー(独 1955年生まれ)である。ベッヒャー門下生。現在、写真作家として最も注目されているひとりである(一点数千万円という、写真の作品価格としては目のとびでるようなその市場価格も注目されている)。昨年(3/4〜5/5)、ニューヨークMOMAで大個展が開催されその国際的名声をうち立てた感がある。 グルスキーは、大型カメラで現代的な風景を精緻に撮影した巨大なカラープリントの作品群により、90年代に入り頭角を現してきた。ベッヒャーの伝統に重なりながらも、プリント制作に絶妙なデジタル処理を積極的に導入することにより、大胆な跳躍を見せ、現代の写真表現に波紋を投げかけてきた。たとえば、1996年に発表された「ライン川」という作品がある。ライン川の水面を此岸の土手と彼岸の土手で挟むような構図で捉えた作品である。人々を驚かせたのは次のことだ。水面と両土手の稜線が、完璧に直線で、画面上を水平に走っているのである。緩やかなカーブを見せる日常的なライン風景とは異質の光景がそこにはある。この「直線性」を明確にするために、グルスキーは、歩いている人々や土手の向こうにある建物の姿、あるいは水面の船などをすべてデジタル処理により巧妙に取り去った。この作品においては、眼前の現実の場の再現や表出ではなく、それを元にしながらも、自らが現実へと投げかけるビジョンの視覚的表出ということがより重要となっている。場の絶対性は、作家のビジョンの任意性の支配下に解消されているのをこの作品に確認することができるだろう。その意味で、これは「ランドスケープ」でも「トポグラフィックス」的でもなく、「サイトグラフィックス」的なのである。
 では、その場の固有性をいわば脱力させる作家のビジョンとはどのようなものなのか。たとえば、大規模な高層住宅を真正面から捉え、コルビジュエの「住むための機械」という住宅理念に視覚的にコミットするような作品『モンパルナス』、あるいは、矩形の凹みに靴が整然と並べられたプラダのショーケースをミニマリズムの作品のように撮影した『プラダ 2』では、矩形性と直線性が、視覚的な要素として異様なまでに重視されているのに気づくだろう。ここに、直線や矩形から構成されている空間としての現代への視覚的コミットメントという戦略が見えてくる。しかも、そうした空間を称揚するというよりもクールに見届けるといった風であり、モダニズムへのある種の距離感を生み出しており、そこにリアルな意味での同時代性を強く感じさせるのである。「ライン川」のデジタル処理による水平化もこのような意志に導かれていると考えられる。面白いのは、デジタル処理により「創作」された部分があるにもかかわらず、作家が可視化しようとする社会的現実がそこには「再構成」されている点である。ここが、グルスキーの作品を「広告写真」と決定的に分かつ点であろう。ベンヤミンは『複製技術時代の芸術作品』で、広告写真を「創作的」だとし、現実を暴露するアジェやザンダーの作品を「構成的」と形容し、後者の重要性を説いたが、グルスキーの作品ではこの二つの性格がいわば弁証法的に止揚されている。その意味でも、「ポストモダン」の形容がふさわしい作家である。
  こうしたグルスキーの画像操作について、師匠のベルント・ベッヒャーは、やりすぎだという批判的な見方を示している。ところが、1950年代末より産業社会の遺跡に属する給水塔や石炭採掘塔などを概念的な「真正面」から撮影し続け、比較可能な形に整えて提示したベッヒャーのタイポロジーという手法自身が、被写体をいわば記号化・概念化し、客体としての被写体を相対化する作業であったことを振り返ると、グルスキーの仕事はベッヒャーの仕事の展開形と見ることもできるのである。決定的に異なるのは写した対象あるいは場の持つ歴史性への評価の仕方である。ベッヒャー夫妻が「比較」のために撮り続けた給水塔や採掘塔は、それらが生まれた時代と土地の特性(たとえば産業時代や産業地区)に不可分に結びついた存在として同定されていた。可能な限り「中性的」な存在の場へと移し替えることで、同一種の(給水塔)多様な外観を比較可能なテクストを編み出すことが、ベッヒャーの方法論の本質的な部分にあったのだ。そしてその点(中性性)において、ベッヒャー夫妻が「ニュー・トポグラフィックス」展に選ばれたのは理にかなっていたといえよう。 ベッヒャー派の新世代においては被写体との歴史的紐帯は変更可能な(任意な)関係へと変換されている。この点において、ベッヒャーの息子のひとりでもあるグルスキーは、明らかな「親殺し」の罪に問われても不思議はないだろう。デュッセルドルフでのベッヒャークラスの最晩年期に学んだハイナー・シリングの作品にもデジタル処理が用いられている。彼は、1997年に来日し、日本の都市風景をテーマに、斬新な作品を発表して注目された。たとえば、彼の作品のひとつでは、横浜みなとみらい地区の上空にヘリコプターが舞いながら、ランドマークタワーなどの建築群に迫っているような光景が現れる。実は、建築群を撮影した写真にはヘリコプターは存在しなかったが、その場所で時折空を舞うヘリコプターを見ていたシリングは、その作品で、その場の自らの空間体験の可視化として、ヘリコプターを絶妙な位置に配置した。彼にとっては自然な行為であった。たんなる画像効果のためだけのデジタル処理ではない、作家が見る現実の可視化としての写真表現の新たな地平がここには示されている。「場」という観点から見れば、そこの光景は任意な変更が可能な「場」となり、言い換えれば「相対的な場」なのである。「サイトグラフィックス」とはかかる「場」の質に関わる写真表現なのではないだろうか、と僕は考えるのである。 次回は、日本における「サイトグラフィックス」の現れについて見てみたい。
つづく


1011 ピンホールワークショップ@東京写真文化館  7/28, 7/29 深川雅文 2002/07/11 16:44

徳田さんが運営するフォトクロの掲示板で標記ワークショップのお知らせがありました。フォトクロ掲示板より転載してご案内させていただきます。ピンホールカメラは、近年、人気のある領域であり、関心のある方も多いのではないかと思う。以下、掲示板での東京写真文化館の書き込み原稿より引用させていただきます。 **************************************************************************
「東京写真文化館では来る、7月27日、28日の2日間、写真家のエドワード・レビンソン氏をお迎えしてピンホールカメラの制作から、プリント制作までを行うワークショップを開催します。写真の経験は問いません、てぶら受講で2日間の授業の中で必ず満足行く結果が得られます。参加方法等は東京写真文化館のホームページを御覧下さい。」 ***************************************************************************
東京写真文化館 http://www.tpcc-akasaka.com/w-shop/index.html


1012 新宿ニコンサロン8月のラインナップ 深川雅文 2002/07/12 07:28

新宿ニコンサロンの8月のスケジュールは面白そうだ。 ●8/6-8/12 加瀬晴美展「楽園都市 ゴールドコースト」 ●8/13-8/26 古屋誠一展「Last Trip to Venice」 ●8/27-9/2 宮嶋康彦 「汎自然 自然から副詞的自然へ」 加瀬は2000年に「江ノ島ビーチ」展をアート・グラフで行ったが今回は海外での撮影。古屋誠一の内容についてはさらに確認してご報告したい。宮嶋康彦は、同名の写真集を7月に発表したばかりで、連動した写真展である。宮嶋の本については、近日中にコメントしてみたい。 新宿ニコンサロン 新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階 03-3344-0565


1013 宮本隆司 ドクメンタ・トーク 北島敬三 2002/07/12 15:36

深川さんからすでにお誘いがありましたが、「宮本隆司 ドクメンタ・トーク」、 ぜひお出かけください。(場所 フォトグラファーズ・ギャラリー日時 2002年 7月20日 土曜日 開場 20時より) 今回のドクメンタは比較的評判が良いようです。椹木野衣さんからも、以下のようなメールをいただきました。 >ドクメンタ11個人的には好感を持ちました。いまどきPCという意見もあるようですが9・11以後PCという概念は消滅しているはず。皆の意見興味あるところです。


1014 アルルレポート更新! 笹岡啓子 2002/07/12 17:28

竹内万里子さんがレポートする「第33回アルル写真祭」。授賞式の模様を更新しました。→→→「写真/覚書」


1015 番組紹介 7/14(日)  デジスタ特集「拡張するアート」 BS1 12時〜12時50分  深川雅文 2002/07/12 21:37

標記番組は、デジタルテクノロジーの進展とともにアートがどのように変わっていくか、そして美術館や博物館、つまりミュージアムがどのように変化していくのかというテーマについての特集である。 内容としては、東京都写真美術館で開催されていたデジスタ展の関連イベントとして催されたシンポジウム(モデレーター:四方幸子氏 パネリストのひとりに森村泰昌氏)の内容などからなる。森村泰昌展のM式ジオラマも紹介され、おそらく番組の最後の方で、ジオラマの前で「ミュージアムはメディアである。キュレーターはメディアなり」と語る人物が出てくるが、それは僕の可能性が高い。 この時間帯、「アッコにおまかせ」と「ハロー! モーニング」が視聴率を争っており、BS1のこの番組をご覧になる方は日本でもよほどのミュージアムフリークと見た。


1016 後藤元洋・平賀淳写真展のお知らせ 深川雅文 2002/07/15 21:45

後藤元洋さんから写真展のご案内をいただきましたのでアップさせていただきます。 後藤元洋氏と平賀淳氏とのコラボレーション展です。後藤さん、ありがとうございました。(以下、後藤氏のメールより) ********************************* ■後藤元洋・平賀淳写真展  -les Fetes a la plage-  ■2002年7月1日(月)〜7月31日(水) ■GALLERY Private(鎌倉) 10:00-19:00 (最終日 〜17:00) 休廊:木曜及び7/22〜26 tel:0467-23-7211 鎌倉市御成町17−14 鎌倉ワイン館内 JR鎌倉駅西口下車徒歩3分鎌倉市役所向い  写真には、撮影者が今まで見てきたものや、その人の環境や生活が無意識のうちに現れるという。人は何を見、何を記憶してくるのだろうか? シャッターを押す何百分の一秒という瞬間に凝縮されるもの。大げさにいえば、プラトンの直感や埴谷雄高のachやpfuiとして立ち現れるもの。写真という装置は何なのか? という問い。人はカメラのファインダーを覗き何を見ているのか?現在、外部に存在しているモノとコト。そして、内部に存在する過去から現在までの記憶。フィルムに定着されるのは一体何なのだろうという実験。 後藤元洋と平賀淳は、1年の差はあるが7月23日に横浜の同じ町内に生まれ、幼稚園から小、中、高と同じ学校に通っている。後藤はその後、写真学校に進み写真家になり、平賀は大学で国文学を学び国語教師となる。しかし、この二人が出会うのは1997年の後藤の写真展であった。(すれ違うことは多分に有っただろうが)しかも後藤も平賀も写真を始めるのは二十歳を過ぎてからである。 前記の問いに対し、この2人が、写真的技術を出来るだけ排除するため、リコー・オートハーフというシャッターを押すだけのカメラを使い、現像、プリントも手の出せないネガカラーの同時プリントのサービス判を展示する。カメラは1台の同じものを使い、現像プリントも同じ薬局の同時プリント500円に出し、展示も恣意的なセレクトやレイアウトせず、会場に出来うる限り数多く2人の写真を混ぜて展示します(カラープリント約900枚) 定休日の木曜日の他、7/22(月)〜26(金)まで休廊になりますのでご注意下さい。 7月20日(土・海の日)には、バースデイ・ビーチパーティーも予定しています。 Goto & Hiraga Birthday Beach Party 7月20日(土)海の日 16:00〜 ■詳細・会場地図 http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/9393/news.html


1017 東川町フォトフェスタ2002と野外展(風間健介氏より) 深川雅文 2002/07/15 21:47

北海道は夕張在住で今回、東川賞受賞作家のひとりでもある風間健介さんからフォトフェスタのご案内をいただきましたので、ご紹介します。 メインイベントまであと2週間を切りました。 pg では、尾仲浩二さんが受賞のために現地に赴かれます。メンバーの楢橋朝子さんも同行されます。今度は、北海道東川からの通信がここに流れるかもしれませんね。 では、以下、風間さんのメールよりご紹介します。風間さん、おめでとうございます。そして、ご連絡ありがとうございました。(以下、風間さんのメールより) ****************************************************************************** 北海道夕張の風間といいます。毎年、東川フォトフェスタにあわせ、メイン会場近くの芝生の上で野外展示を仲間とキャンプをしながら楽しんでおります。今年のフェスタは7月27、28日がメインです。ゲスト写真家によるスライドショーや新人発掘を目指すニコンユーナ等いろんな企画があります。チョット遠いのですが、東川フェスタに遊びに来られませんか? 私どもの野外展への飛び入り参加も大歓迎です。無料宿泊場所もあります。酒は飲み放題です。詳しいことは私のHP http://www2.ocn.ne.jp/~kazama/でご確認、ご連絡ください。 ●フォトフェスタ2002 ゲスト講師の方たち 審査会委員 岡部あおみ(美術家)佐藤時啓(写真家)筑紫哲也(ジャーナリスト)長野重一(写真家)平木収(評論家)山岸享子(キュレーター) 梶原高男(編集者) 大田通貴(文筆家) 大竹昭子(作 家) 寮美千子(神奈川県)  藤本里美(東京都写真美術館)   ●東川賞受賞写真家 エドウィン・ズワックマン 森村泰昌 尾仲浩二 風間健介 ●ゲスト写真家 石井一弘(札幌市)大西みつぐ(東京都) 小野憲一(東京都)仙北慎次(札幌市)田中サトシ(横浜市)筑紫拓也(東京都) 遠峰徹弥(紋別郡湧別町)中里和人(千葉県)楢橋朝子(東京都)比嘉豊光(沖縄県)比嘉良治(ニューヨーク)平川嗣朗(東京都)細江賢治(東京都)綿引幸造(札幌市)ハナブサ・リュウ(東京都) 以上 ***************************************************************************


1018 サイトグラフィックス考 その7 深川雅文 2002/07/16 23:08

サイトグラフィックス考 その7 深川雅文

2002年前半に日本で催された写真展の中で、「サイトグラフィックス」的現象を見てみたい。 北島敬三写真展 PLACES(5/27-6/9/2002 photographers' gallery)。この展覧会で北島は、都市の一角を捉えた光景を大きいサイズのプリントで7点ほど展示した。カラー作品とモノクロ作品がほぼ半々くらいに混在した展示であった。僕が注目したのは、カラーとモノクロの双方の空の部分のトーンがほぼ同じ色調を持っていた点である。この空において、モノクロの作品もカラーの作品もいずれも水準化され、統合されていた。それによって、それぞれに異なる都市の外観の差異を超えて統一する「空」の位相に眼を移行させざるをえない強さが生じてきていた。そこでは、「図」としての前景は限りなく後退し、「地」としての空(背景)が逆に前へと張り出してくる。光景におけるこの価値の転換は、おそらく、写されているこれら各々の場所を「無差別的」な場へと変えてしまう。がゆえに、北島は個々の作品にその場の「名」を与えることを決然として拒否している。「空」あるいは「宇宙」という視点から見たら、全ての場所が「無差別的」なのではないだろうか(同様に、北島の「PORTRAITS」の背景の「白」の意味をあらためて問うことも有効であろう)。 北島のSCAPESは、中心遠近法を厳格に適用して世界の都市を捉えようとしたトーマス・シュトルートの都市風景を思い浮かばせるかもしれない。しかし、その内実は、シュトルートの仕事とは鋭く対立している。というのは、シュトルートは、その手法の首尾一貫性にも関わらず、個々の場の空間と歴史の個別的特性を否応なしに開示することになったからである。そこでは、場所の「名」や「国」の名とその歴史性が重い意味を持っているからである。こうした風景の極北にあること…それゆえに北島のSCAPES には「サイトグラフィックス」的なものが徴候として示されているのだ。  ところで、北島は、この手のいわゆる“都市風景”の作品を日本国内ではあえて発表してこなかった。それは、自らの作品が了解可能になる精神的土壌の変化あるいは熟成を待ったがゆえなのかもしれない。
 5月にTARO NASU GALLERYで展覧会を行なった松江泰治は、都市をテーマにした最新作において、彼の代表作となった世界各地の地表面のシリーズにおいて内在していたサイト・グラフィック的な側面をより明確に出すことになった。松江独自の高みの視点から捉えられた都市の光景は、たしかに、それぞれがその場の固有性を断片的に示してはいる(たとえば、マレーシア・クアラルンプールの高層ビル群のもつ固有な構造)。しかし、それらの作品を熟覧していくと、個々の場の都市光景とそれぞれの名前は、松江が編み出した任意のしかし彼にとって絶対的な高次の視覚化システムへと回収され、ビジュアルの契機としての役割へといわば蒸発していく。場所の名はその場を「分ける」機能を果たしながらも、作品は一次的な「分け」の場を超越して新たな視覚的な「分け」の次元を拓いていくのだ。その意味で、「有名性」は、かぎりなく「無名性」へと転化していくのである。(この展覧会へのコメントについては、photo-eyesの過去の深川の書き込みを参照していただきたい。)
 東京国立近代美術館で開催中の「サイト―場所と光景」展(―8/4まで)に参加している横澤 典(つかさ)の出品作品は、写真における「場」の今日的な徴候を示している点でも重要だろう。「spilt milk」と題された縦長の大きめの作品である。そこには、広がる暗闇の中に、天空の星座その作品のように街の灯りが点在している。それは、トーマス・ルフの星座の巨大な写真へと連想を走らせるかもしれない。ルフの星座の写真は、現実の特定の場の星座の写真を用いた光景であるのに対し、横澤の作品で我々が見るのは、作家がある現実的光景から、作家自身が仕掛けた視覚的システムによって掬い取った仮想的な光景であり、その撮影の場自体は暗闇のブラックホールの中に回収されてしまっている。言い換えれば、カメラの前にあるという意味での「場」は、より高次の視点によって融解され、別のしかたで(例えば「spilt milk」)名状されるしかない場へと転化しているのである。
 会場では、数点の「spilt milk」と一緒に、雪に覆われた都市を俯瞰した作品「on white」が一点だけ展示されている。「spilt milk」の暗闇の世界が、にわかに白日化されたような印象を与えてハッとさせる。「on white」では、雪の白と建物の白が溶け合って、その光景の地を形作り、図としての建物は認識可能ではあるがその存在力を去勢化されて背景へと引き込まれてしまう。横澤の関心は、カメラの前の場を存在論的に別の視覚的な場へと「転ずる」ことにあるのではないか。とすれば、その意味で、横澤の光景は「転景」と呼ぶことができるのかもしれない。
 5月半ばから6月半ばにかけて、art & river bank で開催された二つの若き写真作家たちの展覧会は、サイトグラフィックスという写真の意識の場の立ち上がりをより明確なかたちで突きつけるものであった。原田晋写真展「Window Scape」(5/18-5/31)と片山博文展「Vectorscape」(6/8-6/21)である。
 原田の作品は、一見、カラフルであるがピントが曖昧なスナップショットのように見える。個々のイメージをさらに見ていくと、よく知られた世界の名所の建造物など(たとえばピラミッドなど)が認められたりするが、展示場の別の一角には、やをら宇宙開発の場面や天体のイメージが現れたりもする。それぞれの作品は断片的で場所から場所への飛び方にもほとんど一貫性は認められない(あたかもインターネットにおけるサイト間の気ままな旅のごとく)。それもそのはず、原田は、旅行者として撮っているのではなく、自室のテレビのモニターを追っているだけなのだという。それらのイメージはあえて命名しようとすればそうすることができる場所に関わっている。しかし、その場所の名を作品の傍らに付記したとしても、映像はその場について何も付け加えない。流出するモニター画像を、かすかにリアルの痕跡を感じさせる程度にサンプリングし連ねることで見えてくるのは、我々と世界の間に入りこんだメディアによって変換を施された世界の現前であるとともににその変換というメディア的事態そのものである。その事態そのものは日常において「不可視」なのだ。メディアは「場」を膨大な量で流出させ、浮遊させる。「場」はいわばとめどなきデフレに陥り、その元々の価値と意義を稀薄化していく。もはや、その場の名は、使い古されかすれ読めなくなったその名の痕跡を残すだけであるかのように。
 片山博文展「Vectorscape」は、一瞥したところレンズの冷徹な分析力をフルに引き出して撮影した緻密な建造物写真のように見えるが、文字通りゴミひとつないノイズレスな画像は、写真的なリアリティを極度に純化したものであるだけに逆にかすかな異和感を見るまなざしに生じさせる。片山は、大型カメラで撮影した作品を元にコンピュータでそのイメージを丹念にシミュレートした。たんに部分的にデジタル修正を行うのではなく、元の画像全体をヴェクトルデータで再構成した画像なのである。彼が撮影に選んだ「場」は、ヴェクトルデータ化される素材としての場であり、存在論的にはデータ化することによって到達されるイメージの下位に位置づけられるにすぎない。片山が撮影するのは格段ドラマチックな場ではなく、都市の一角のどこにでもあるような場所である。そんなどこにでもあるような場が、どこにでもない場へと転化させられる。「場」をある視覚のメタ・システムによって「転化」すること - 「転化」という点において片山の仕事は(横澤 典の作品とは異なる方法ではあるが)サイトグラフィックス的徴候を明示していると言えよう。
 photographers' gallery での笹岡啓子写真展「限界」(6/10-6/23)は、同名のシリーズの新たな側面を見せてくれた。これまで同タイトルで見せてきたのは、海際の地勢とそこに点在する人間像を巡る作品であったが、今回は、雪山の地勢とそこに点在する人間像が捉えられていたからである。海と山、いずれの場においても余暇を楽しむ人間が点在している。海と山のいずれにおいても、作家固有の自然と人間の関係把握が貫かれていることによって、場の固有性を越えた人間と自然のの関係を巡る、メタレベルの視覚のシステムが際だってきている。したがって「そこがどこであるか?」(海はたとえば千葉であるかもしれないし、山は長野であるかもしれない)という問いかけは、たしかになんらかの重要な意味を持ちうるが、ただちにそれに対して「So what?」と応じてもよいだけの二次的な意味に逆転する可能性を持っているのだ。「限界」とは、たしかに「場」そのものではなく、「場」の質的転化の末に浮かび上がってくる高次の概念である。
 以上、いくつかの展覧会を通して、サイトグラフィックス的徴候の現れについて論じてみた。次回(最終回)は、「サイトグラフィックス」という概念の意味についてあらためて考えてみたい。
 つづく  


1019 沖縄報告 笹岡啓子 2002/07/16 23:48

沖縄、前島アートセンターでのphotographers' gallery展の報告を「events&projects」に更新しました。 搬出居残り組の小出氏も無事、帰京しました。


1020 写真感情更新! 笹岡啓子 2002/07/17 18:57

北折智子さんの「写真感情」を更新しました。深川さんのサイトグラフィックス考が続いていますが、こちらでも風景論に触れています。ぜひお読みください。


1021 展覧会案内 (7/17付) 深川雅文 2002/07/17 22:31

7月後半から8月にかけてもいろいろな写真展が予定されている。とりあえず三つの展覧会をご紹介しよう。 ************************************************************************ ●「畠山直哉写真展」 8/3-9/16 岩手県立美術館 畠山直哉の初期作品から最新作までを紹介する大規模な個展となる。作家は岩手県陸前高田市の生まれなので、地元での大展覧会となる。点数約80点。お盆には、作家によるギャラリートークも予定されている。 岩手県立美術館 岩手県盛岡市本宮字松幅12-3 019-658-1711 http://www/ima.or.jp ●「ジャン=マルク・ビュスタモント展 プライベート・クロッシング」 7/28-10/6  横浜美術館 フランスの写真作家、ビュスタモント(1952-)の大規模な回顧展である。写真の代表作に加えて、オブジェ、立体作品のインスタレーションなど約80点で構成される。ビュスタモントは、80年代のフランス現代美術の動向のなかで当時、日本でも紹介され注目された。今回、その後の展開も含めて展観できるだろう。 横浜美術館 横浜市西区みなとみらい3-4-1 045-221-0300 ●フランコ・メノン写真展 ペシャワール アフガンへの門戸 7/22-8/9 フォト・ギャラリー・インターナショナル この写真展の発端は、PGIのオーナーである佐多保彦氏がイタリアで出会った「ペシャワールの写真展」である。その作家がフランコ・メノンという写真家であった。佐多氏は、この展覧会をアフガンに対する医療支援を目的としたチャリティーとして企画している(ペシャワール会の活動支援として)。佐多氏はこう書いている。「…2001年4月頃のアフガニスタンの様子を知らせる生の写真に興味を覚え、また、このメノンさんの素直な眼がとらえたアフガンの民衆の様子は9.11事件後とは全く別の世界のように思えた。…」 マグナムの9.11の写真展が東京都写真美術館で終わったばかりだが、9.11の写真展を見た眼にとって、メノン写真展がどう映るのだろうか。アフガンの現在の記録として興味深いものがある。 フォト・ギャラリー・インターナショナル 港区芝浦4-12-32 03-3455-7827 http://www.pgi.ac


1022 展覧会情報の続き(7/18付) 深川雅文 2002/07/18 22:00

近日開催(あるいは開催中)の展覧会の紹介の続きです。 ●笠木絵津子「Male & Female」 Works in New York, 1989-1991  -写真、立体、ミクスト・メディア、モノ・プリント、ドローイング、ビデオ- 7/25-8/6 appel 写真だけでなく様々なメディアと素材を用いた作家の「50歳記念」展だという。ニューヨークで制作した作品である。笠木さんから、「合成写真、長いデジタルプリント等、ご覧ください」というメッセージをいただいた。 appel 世田谷区経堂5-29-20 03-5426-2411 ●飯田勇写真展 「虚飾の街 銀座 1983-2002」 7/15-7/28 プレイスM 同名の写真集もワイズ出版から刊行される。定価3800円。 プレイスM 新宿区四谷4-10 メイプル花上2階 03-3358-3974 http://place-m.hoops.ne.jp ●圓井義典 NEW WORKS 7/22-7/27 exhibit LIVE exhibit LIVE 中央区銀座8-10-7 東成ビル 03-5337-0023 ●森山大道展「新宿」 7/19-8/24 Taka Ishii Gallery 展覧会と合わせて、7月末に写真集『新宿』(月曜社)が刊行される。B5変形ソフトカバーで600ページというから、かなりのボリュームの写真集のようだ。楽しみである。予価7200円。それだけでなく、もう一冊写真集『PLATFORM 』も出される。これは限定1000部で160ページ。予価3800円とのこと。 Taka Ishii Gallery 豊島区北大塚3-27-6 03-3915-7784 http://www2u.biglobe.ne.jp/~tig/tig.html


1024 韓国現代写真展 報告 「風のように、水のように」 その1 深川雅文 2002/07/19 14:05

 去る7/13(土)、「人・風(サラム・パラム)- 韓国現代写真の地平」(埼玉県立近代美術館 6/25-7/28)の関連イベントとしてシンポジウムが開催された。本展監修者であり日本ともゆかりの深い、キム・スンコン氏のレクチャーは、「近くて、遠い国」韓国の現代写真の実像を、その社会的・歴史的背景も含めて解明するもので、我々に新たなヴィジョンを結ばせる重要なものであった。このシンポジウムと展覧会の内容について報告してみたい。    まず、キム・スンコン氏は、韓国の自然観とその絵画的表現である山水画の歴史を、韓国における写真の芸術的可能性を規定するものとして描いてみせた。山水画における、1. 実景と 2 .真景というふたつの区別に写真をあてはめた場合に、写真の芸術的可能性は「写真はそれ自身としては実景だが、写真でもって真景が表現できないのか」という課題として理解されてきたという。  さらに、キム氏は、韓国の歴史的・社会的現実の過酷さが、韓国の写真の歴史にも深く影を落としていることを説明した。第二次大戦により、朝鮮半島は、帝国主義日本によって支配され民族の歴史は著しく蹂躙された。第二次大戦の終了は、そうした忌まわしい日本支配からの解放であったが、その後5年もたたずして「韓国戦争」(わが国では「朝鮮戦争」と呼ばれている)が勃発し、民族内部での殺戮が始まる。この戦争は、韓国の人々に想像を絶する深く暗い傷跡を残すことになる。破壊され尽くされた町並みや戦災を被った人々の苦しい生活はもとより、人々の心の中にも殺伐とした精神風景が刻まれたのである。    スライドで上映された韓国戦争直後の模様を捉えた記録写真は、日本での空襲の焼け跡や原爆の後の光景の写真にも匹敵するかもしれないと思わせるものだった。瓦礫から始めなければならないゼロ地点の光景であった。日本と決定的に異なるのは、韓国戦争による戦争状態が基本的には現在まで続いているということだ。韓国戦争の痕跡は、今も街の郊外のさまざまな場所に見いだすことができる。そうした場所を撮った写真は、一見、ニュー・トポグラフィックスの写真のようにも見えるのであるが、そのような文明論的な風景なのではなく、いまだ続いている戦争の社会的現実の指摘なのであった。先日、ワールドカップ三位決定戦(韓国×トルコ)開催の日に起こった、北朝鮮の船舶との銃撃戦は、国家的な祭典で盛り上がる韓国に一触即発の戦闘状態という現実をあらためて突きつける出来事だった。    戦争状態の継続は、写真を撮影するという行為自身を厳しく法的に規制してきた。たとえば、高いところからの撮影や海岸線での撮影は長い間禁じられてきた。そうした撮影の規制が取り除かれるのは1988年のソウル・オリンピックの前年であったという。たかだか15年前に、やっと写真家は撮影の自由を獲得したのである。ソウル・オリンピックは、韓国の戦後史のひとつの分水嶺となり、韓国の国際化、経済の発展、そして市民の自由の拡大が前後して加速していくことになる。韓国の現代写真もこの時期を前後して大きな展開を見せることになったのである。    つづく    


1025 取手アートプロジェクトプロポーザル展および公開選考会開催 7/20 深川雅文 2002/07/20 00:21

取出アートプロジェクトを推進している中心メンバーのおひとり、渡辺好明さん(芸大先端教官)から、標記選考会開催のお知らせをいただきましたのでご案内します。以下、渡辺さんの文章からの引用です。 **************************************************************************** TAP2002取手リ・サイクリングアートプロジェクトプロポーザル展および公開選考会 のおしらせです。 7月13日〜21日までJR取手駅西口前の取手アートギャラリーにて開催中(10:00〜20:0 0)のプロポーザル展ですが、もうご覧いただけましたでしょうか? 7月20日13:30〜は、中沢新一(宗教学)・中西夏之(画家)・中村征夫(写真家)・ 伊藤俊治(先端教官)・川俣正(先端教官)・田甫律子(先端教官)・大澤健治(取 手市助役)・櫻井忠(近代造園)・福田玲子(取手在住画家)らを選考委員に迎えて 、ギャラリーにて公開で選考会を行います。 普段みることのない選考の様子を見ることの出来る機会です。 是非ご来場ください。 また、会場では一般投票も行っており、選考会でその結果を反映します。こちら は20日まで受け付けていますので奮って投票してください。 その他の情報はTAP2002HPの方をご覧ください。 http://www.toride-ap.gr.jp/2002-j/ ************************************************************** 以上


1026 古屋誠一展「Last Trip to Venice」(新宿ニコンサロン 8/13-8/26)について古屋氏よりコメント 深川雅文 2002/07/21 11:25

 先日、ご案内した古屋誠一展について、作家ご本人より展覧会で掲示されるテクストをいただきましたのでご紹介します。  文字通り、亡き妻、クリスティーネとの「最後の旅」がテーマになっています。 この秋には、ウィーンの美術館アルベルテティヌムでの個展も計画されています。ウィーンの展覧会では、まったく新しい作品を発表される予定です。  なお、新宿での展覧会は、大阪のニコンサロンでも展示されます。期間は9/26-10/1。以下、古屋さんの文章です。グラーツの古屋さん、ありがとうございました。 ********************************************************************* Last Trip to Venice 行く先はどこでもよかった。 「遠くへいきたい」、「二人になりたい」と彼女が言い出したのは一週間あまりの入院生活を終え実家に帰って来た翌夜のことだった。 私自身もどこか病臭が蔓延んだような家や、その辺りのすべてから一時でも遠ざかりたいという気分だった。慣れ親しんだ物や者、風景までもが又発作のきっかけになるのではと勝手に思ったりもした。 夜半にヴェニス行きの汽車があることを知って着の身着のまま駅に急いだ。 暗く冷たく重苦しいグラーツから一夜してヴェニスに着いた。 街はぼんやりとして平面的で、ちょうど眠りから覚めかけているところだった。人影も疎らでひっそりとしていた。 泥雪土や冬焼けした緑、寒々しい山並みに変わって、潮香匂う石の街並みが我々を迎えてくれた。 サンタ・ルチア駅を出ると運河の向こう側にカテドラルが見えた。ちょうど広く平らな空にそこだけが淡い緑青色に塗られた風で、そのドームの曲線とともに織り成す温柔な美しさに、私は暫し目をとられた。  とりとめもなく歩いた。 それが、唯一我々のしたことだった。左から右へ、下から上へ。ただ歩いた。運河を渡るフェリーは一時の癒しとなった。デッキの潮風に晒されながら遠くを見つめていた彼女がふと振り返って微笑む。 「来てよかった」と思った。 歩きながら二人で何を話したのか確かな記憶はない。ただ、つたないドイツ語故とは言うまいが、苦しみの底奥を語り合えるような言葉を私は持っていなかった。 2日後、雨のヴェニスを去った。 刹那の安らぎはあったものの、だが、重い気持ちは澱み続けていた。 その年の秋、彼女は自ら命を絶った。 そしていま;現在、入院から旅を経て過ごした折々の断片が二本のフィルムとして残っている。一本は誤って二重に露光されてしまった。ヴェニスから帰って直後、クリスティーネは再入院、私は新しい仕事のためドレスデンから東ベルリンに移り住んでいた。そんな頃の街やアパートの壁などの情景が重なっている。  彼女が亡くなって以来、幾度となく彼女の肖像や、「当時を思い偲ぶ」作品を発表し続けている。そして、こうした私の「執拗」さや、作品の内容を非難、疑問視する声も度々耳にしてきた。しかし、どういう訳か、私の知る限りではこの批判的な声は日本でしか起こってこない。ヨーロッパでの生活の時間が日本のそれを越えてすでに数年経ち、発表も「海外」が多いことを思うと、その日本のみの現象を「どうしてだろう」と、時折考えてみるものの、明快な答えは得られないままだ。   限りなく個人的な映像だと思う。二本のフィルムに刻された日々の断片をそのまま並べることが表現になるのか、という疑問は、いまだ拭い去れない。 ヴェニスへの最期の旅から早や17年が経つ。 風化した情景に己を安住させまいという気持ちが、今でも心のどこかに蠢いているのだろうか――――。 そして、そこに焙りだされた写真家とは、妻を死に追いやるために、撮り続けた… 2002年7月1日 グラーツにて 古屋誠一 **********************************************************************


1027 宮本隆司 ドクメンタ・トーク 7/20 補足告知(深川の言い忘れ) 深川雅文 2002/07/21 11:30

 昨日(7/20)午後8時より10時まで、宮本隆司さんをお招きしてpgにて、ドクメンタ11についてのビデオによるご報告とそれについてのトークショーが行われました。  現地で実際に見るのとはもちろん異なる体験にちがいありませんが、宮本さんの目線と軽妙なコメントとともに会場をご案内していただき、参加者の皆さんにとっても楽しいツアーとなったかと思います。宮本さん、ありがとうございました。突っ込んだコメントをいただいた、杉田敦さん、北島敬三さんもありがとうございました。 さて、進行役の小生は、一言最後に言い忘れたことがありました。そこで、補足告知。 ベネチアとベルリン、そして今回のドクメンタでも展示されている宮本さんの「KOBE」のシリーズは、日本ではまだ全体像が見られる展示はされていません。この作品の全貌を見ることのできる展覧会が、川崎市市民ミュージアム・写真ギャラリーにて今年の秋、11月初旬より2003年の1/19まで(阪神淡路大震災1/17の日をまたいで)開催します。宮本隆司写真展「KOBE」(仮称)の詳細はまたあらためてご案内いたします。 以上、言い忘れでした。


1028 荒木経惟特大写真集は重量約13キロ(朝日新聞より) 深川雅文 2002/07/21 11:33

7/21付朝日新聞朝刊・読書欄の短信に見つけた記事によると、ドイツの美術出版社のタッシェンより、荒木経惟の特大ヘビー級の写真集が8月半ばより販売されるという。 点数約1000点。タッシェンは、大型写真集の第1弾としてヘルムート・ニュートン写真集をすでに出している。見るのが大変と驚いたことがあるが、ちゃんと、閲覧のための特製書見台も用意してあってまたびっくりしたことがある。このシリーズは「スモウ・ブック」と称される。スモウとはもちろん「相撲」からとられている。荒木さんの次は誰になるのだろう、という興味もわいてくる。 初期特別定価15万円。2か月後より20万円という。 問い合わせはタッシェン・ジャパンへ。03-5778-3000


1030 広島での森山大道展 尾仲浩二 2002/07/21 12:03

面白そうな所での展示です。 森山大道展 <プラットホーム><光と影> 株式会社 大和ラヂエター製作所 広島県安差南区西原2-26-21  e-mail daiwa-rs@jade.dti.ne.jp 8月1日(木)〜30日(金)11:00〜17:00 土.日曜日休み/夏期休業10日-15日 詳しいことはわかっていませんが、本当に普通の工場の営業時間ですね。『プラットホーム』は昔CAMPでやった『用があったら口笛を』のプリントだと思われます。 ついでですが、蒼穹舎の大田さんですよね。


1031 蒼穹舎・大田通貫氏の記事(7/21付 朝日新聞にて) 深川雅文 2002/07/21 15:24

荒木さんの特大本が紹介されている朝日新聞の同じ紙面の左側に、数々の意欲的な写真集を出している大田通貫氏ーのインタビュー記事を見つけた。《「本」職に聞く》というコーナーで、見出しは「独立独歩で写真集出版」とある。要チェックである。(尾仲さん、#1030での訂正のご指摘ありがとうございました)


1032 東川町へのお誘い 尾仲浩二 2002/07/23 01:08

尾仲です。ちょっと恥ずかしいけど新人賞で北海道へ行ってきます。 向うではいろんなイベントがあります。 お近くの人もそうでない人も、この機会に足を運んでみて下さい。 私の展示はモノクロ(87年〜99年)カラー(99年〜2002年今年の春の北海道を含む)のプリントと Tokyo Candy Box の顔料インクで出力し直した大きなプリント4点と200枚ほどが一枚に入ったポスターのようなもの、それにプロジェクターでの投影のDVD、約300枚と盛り沢山な内容です。 トークセッションの特別ゲストの心強い味方には楢橋朝子と蒼穹舎の大田通貴さんも参加です。 良い機会と思いデジカメも手に入れました。ここに放り込むかたちでできるだけ実況してみようとおもいます。 私自身これまで、東川ってよく見えなかったものね。 でも連日のへろへろでダメだったらごめんなさい。


1033 サイトグラフィックス考 その8(最終回) 深川雅文 2002/07/23 12:40

サイトグラフィックス考 その8(最終回) 深川雅文

ここでは、「サイトグラフィックス」という言葉を、現在、「風景」という名の下にまとめられかもしれない写真の表現の現場に現れてきているある徴候を示す言葉として仮に置いてみて、その歴史的背景にも遡りながら現代の作品も含めて7回にわたって書いてきた。 サイトグラフィックス的に描かれた場所を特徴づける言葉をあらためていくつか挙げてみよう。たとえば、場の任意性、場の無名性、場の相対化…言い換えれば、「所在のなさ」、にもかかわらず、それは「どこかの場」を示している。こうした場所の観念は、「どこでもない場所」という意味での「ユートピア」の意味にも連なっている。ただし、それはこの言葉で一般的に連想されがちな「夢想」や「幻想」の場ではない。「写真」として、そこに「現」の位相を織り込んだ上での「ユートピア」なのである。 サイトグラフィックス的な場をこのように把握するとしたら、この言葉の彼方に、我々はベンヤミンが思索を通して格闘した根本的な問題のありかを見ることができるかもしれない。ベンヤミンは、自ら命を絶つことになった1940年の春に書かれた絶筆「歴史の概念について」の中のテーゼ?でこう書いている。 「歴史のなかで人類が進歩するという観念は、均質で空虚な時間をとおって歴史が進行するという観念と切り離されないものである。こういう進行の観念にたいする批判が、一般に進歩という観念に対する批判の土台を形成しなければならない。」(テーゼ?) 『複製技術時代における芸術作品』や『写真小史』でベンヤミンが取り上げた「今、ここで」というアウラの観念を巡る考察は、こうした批判の土台のひとつであった。「アウラ」の現在性、言い換えれば、「今」によって充足された時間の観念は、歴史的進行という近代の時間の観念に対するカウンター概念として置かれていたのである。彼は、人間を歴史的理念の進行の中で解放するというプログラム(この点では通俗的なマルクシズムも同様なイデオロギーのひとつである)を根底から批判した。彼にとって、「現在」こそが「特定の過去の一時代と出会う局面」(テーゼA)であり、(「現在」に見いだされる)「持続的なカタストローフのなかにある小さな裂け目」(遺稿)を衝いて、そこから逆に歴史的時間を再構成することによって、現在は解放され、救済される。そこに、いまだ到来していない理想の世界(ユートピア)が切り拓かれる。つまり、ユートピアは現実化(アクチュアリジールング)を経ることなしには到来しない。(ザンダーとアジェの写真を彼が評価したのは、彼らの仕事が「現実化」を通して、歴史的・社会的な空間と時間を見事に再構成化していたからにほかならなかった。) ベンヤミンが描いたユートピアの現実化は、同時代に進行していった社会主義革命の事態に重なる部分がある。しかし、実際の社会主義国家は、1990年のソビエト連邦崩壊に見られるように歴史的に清算されてしまった。だからといって、ベンヤミンの哲学は、意味を失うわけではない。むしろ、近代の歴史的時間の観念が崩壊し、歴史や国家の理念が解消しつつあるように思われる現代であればこそ、我々がどこに身を投げかけるのか、どのような場に我々は行こうとしているのかという問いは重要性を増しているのではないだろうか。というのは、ベンヤミンの思索は、そうした問いかけの中で、なんらかの歴史的理念や価値を前提とするのではなく、「いま、ここ」を手掛かりにして「ユートピア」(ここにない場)を模索する行為の原点を示していると思われるからである。 この点において、サイトグラフィックスは、ベンヤミンの思索の核心に触れているのではないかと、僕は思うのだ。 最後に、「サイトグラフィックス」という概念は、現在、風景を巡って(あるいは「写真」を巡って)行われている表現の同時代性を考える場合に、その意味に近づく上で機能することができるかもしれないという小さな期待を持っている。いわば、ひとつの「梯子」になりうるかもしれない。とはいえ、昇ってみたところ「梯子」として機能しないということが判明したら、容赦なく捨て去っていただければいい。それによって事態がうまく「切れない」概念は、余計なものなのだから。


1034 高橋辰夫 「光とわたし」展 7/30-9/28 OFF SITE 深川雅文 2002/07/23 22:39

昨年11月、川崎市市民ミュージアムでの「outer/inter 現代写真の動向」展にも参加した高橋辰夫の新たな展覧会である。「光とわたし」とは、象徴的なタイトルであるが、どのような展示になるのだろうか、楽しみである。高橋さんよりコメントをいただきたいところだ。 OFF SITE 渋谷区千駄ヶ谷5-23-7 03-3341-5557


1035 「高橋辰夫の名刺ギャラリー終了記念展」8/17-9/3 appel にて 深川雅文 2002/07/23 22:42

さらに、高橋辰夫さん関連の展覧会が、作家自身が運営に関わっているギャラリーappelで開催される。 名刺ギャラリーとは、無印良品製のシンプルな金属の名刺入れの中に、期間を決めて作家の作品をセットして、展覧会を出前するという展示活動である。この活動に参加した作家7名(タナベマサエ 坂本政十賜 関口国雄 山田大輔 タケトミ三重 泉沢儒花 荒井伸佳)の作品がまとめて展示される。 appel 世田谷区経堂5-29-20 03-5426-2411


1038 ≒森山大道(near equal moriyama daido) DVD/VHS発売 深川雅文 2002/07/23 22:51

2001年に劇場公開された標記ドキュメンタリー作品が、7/25よりDVDとVHSで市販されることになった。 定価6000円。本編84分に加え特典映像も含まれる。 製作・販売・発売元 ビー・ビー・ビー株式会社 03-3770-9071 http://www.bbb-inc.co.jp/daido/


1040 写真研究会より、レクチャー開催のお知らせ 深川雅文 2002/07/25 00:18

関西の写真研究会より、レクチャー開催のニュースをいただきましたのでご案内いたします。以下、いただいたメールの文面です。 ***********************************************
★タイトル★  「隙間を見ること:写真とインスタレーション・アート」  講師:小林美香    8月3日(土曜日)14時から  京都・北山にある写真ギャラリーississにて   ...今回のレクチャーでは...  アメリカの現代美術家フレッド・ウィルソンの展覧会「To the Rescue」に出品さ れたインスタレーション作品を、展示という観点からレクチャーします。    レクチャーのレジュメ(212KB)は  http://www.think-photo.net/8-03.pdf  からダウンロードできます。興味のある方は是非どうぞ。
展覧会の詳細はこちら  http://www.icp.org/exhibitions/to_the_rescue/index.html   ※アクセスはこちらをご参照下さい。  http://www.ississ.jp/
また、お問い合せは  e-mail:photogallery@ississ.jp までお願いいたします。  ************************************************


1041 折元立身 新作パフオーマンス「Selling Bread」発表 8/3 川崎市市民ミュージアムにて 深川雅文 2002/07/25 11:09

 現在、川崎市市民ミュージアムのグラフィックギャラリーでは、「折元立身 グラフィック・アート+オブジェ」展を開催中である(9/1まで)。 この展覧会の関連イベントとして、来る8/3(金)の午後3時より、企画展示室にて新作パフォーマンス「Sellling Bread」を発表する(約30分)。 新作では、パンを用いるが「パン人間」のように顔をパンで覆って行うパフォーマンスとは異なる新たな作品となる。折本立身を含め20人以上の正装したパフォーマーと観客が相向かって未知なるコミュニケーションを取り結ぶことになりそうだ。 日時 8/3 15時より(約30分) 会場 川崎市市民ミュージアム・企画展示室 料金 常設展観覧料にて(一般 500円 学生 300円)  「折元立身 グラフィック・アート+オブジェ」展もごらんいただけます。 川崎市市民ミュージアム 川崎市中原区等々力1-2 044-754-4500 http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/


1042 折元立身のメッセージ Selling Bread に寄せて 深川雅文 2002/07/25 11:12

http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/ #1041でご紹介した折元立身パフォーマンス「Selling Bread」について、折元さんからメッセージをいただきましたので、ご紹介します。 ************************************************************************* 「私は世界中の町で、パン人間のコミュニケーション、パフォーマンスを行ってきましたが、以前から無意味の行為として、「パンを売る」行動をアートとしてやったらどうかと頭の中におさめていた。今回、川崎市市民ミュージアムの広い空間を用意してもらい、約20名の正装したパン売り若者が整列したり、観衆にパンを売ったりするコミュニケーションワークとしてのパフォーマンスを披露したいと思います。若者とパンと観衆でどんなことが起きるか、来たれ、見よ、パンを求めよ! 折元立身 7月24日2002年  川崎自宅にて」


1043 CCDUnit2002 Webcollaboration 8/1-8/5 深川雅文 2002/07/25 23:29

 小林のりお、佐藤淳一、丸太直美、高橋明洋、四人の作家によるウエブ上の共同展覧会が、8/1の午前0時より8/5の午後24時まで開催される。現在、準備中。 http://CCD-unit.com/


1044 韓国現代写真展 報告 「風のように、水のように」 その2 深川雅文 2002/07/26 12:43

 #1024で(その1)で、韓国写真の基本構造となる歴史的事象について概観した。1980年代後半の韓国社会の開放化とそれにともなう韓国の現代写真の展開については、本展監修者のキム・スンコン氏が展覧会図録に寄せている「韓国、現代写真の状況」に詳しい。韓国現代写真の状況を把握する上でこの論文は必読だろう。関心のある方はぜひ読んでみていただきたい。
  さて、今回は、展覧会に即して現れてくる「韓国現代写真」の状況について見てみよう。「サラム・パラム 人・風」というタイトルが示すように、本展のテーマとしては、人物像と風景が中心を占めている。まず、人物像の作品を取り上げてみよう。
 人物像については、イー・ソンミン、クー・ソンスー、キム・オクソンそしてチェ・グァンホという作家の作品がある。
 イー・ソンミン。彼女は、現代の韓国社会の家族の光景をさまざまな家庭の室内で捉えている。一見日常的な家族の風景であるように見えるが、急速な近代化の進行がもたらしたに違いない、室内の調度に見られる伝統的な感性と現代的な感性のせめぎ合い、そしてそこに暮らす人間(親と子ら)の関係の緊張とゆらぎのような部分も見え隠れする。女性が置かれた社会的な状況なども関係しているように思われた。
 クー・ソンスーは、愛する妻のポートレートを、冷めた距離で撮り続けている。男と女、夫と妻という関係そのものを見つめるような作品である。ここにも、韓国社会における家族や男女の関係のゆらぎの様相が見られるのかもしれない。
 キム・オクソンは、女性が住む部屋のなかでその女性に裸体になってもらい空間ともども克明に、ある意味で即物的に撮影している。この距離感と突き放しかたは、作家が女性であることとも関連しているのかもしれない。日本でもそうであるが、メディアが描きたてる「いい女」、「かわいい女」のイメージが韓国にもある。そうしたイメージは、おうおうにして男性側から作り上げられるという構造もあるはずだ。オクソンの女性像は、そうした既成の女性イメージに対するカウンターパンチのように見えた。  チェ・グァンホは、人のイメージをプラスチックの板に張り付け、その一面にパンチ穴を開けた作品を発表している。個々の人物が作家にとってどういう関わりを持っているかは分からなかったが、全体として、その人のイメージへ近づくことを忌避するような感触を作品から受ける。穴が邪魔をするのだ。つかめそうで、つかめない隔靴掻痒感といってもいい。一角に、朝鮮半島を赤ん坊の顔のコラージュで作った作品があり、それも同様にパンチ穴が開けられている。全体の作品タイトルは「空気穴、そして統一」とある。一体になりたいのに、一体になれない感覚というものは、チェ・グァンホの韓国人としての歴史と社会的かつ個人的現実に根ざしたものであるのだろう。
 グォン・オーサンは、実際の写真を数百枚張り合わせて作る立体作品で注目されている若手の作家である。日本には「張り子」というものがあるが、写真で作られる紙の彫刻といっていいかもしれない。ここには、現実の人間像に近い作品もあれば、体は人間で頭が二つの鵞鳥であるような作品もある。ダダ的な写真コラージュの立体版的な趣もある。テーマは人が多いが、犬や岩を同じ手法で作った作品もある。おそらく現代美術の文脈に入る作家であろうが、たんに写真をメディアと割り切って使っているのではなく、その特性を掴みきった作品である。その意味でも、斬新な作品であった。   つづく 追伸 この展覧会は今週末(7/28)まで埼玉県立美術館で開催されている。はやいもので残す会期もわずかとなった。これを逃すと、しばらくはこのレベルでまとめられた韓国現代写真の展覧会は見ることはできないだろう。その意味でも、要チェックであると思う。


1045 Vision 01 新しいモード写真 会場:東京日仏学院 深川雅文 2002/07/26 12:46

「AFAA(フランス芸術活動教会)の企画製作によるフランス外務省海外文化機関巡回展」ということである。マルキュス・ジャンス、ダニエル・スティエ、バニュ・セネトグリュ、エマニュエル・マフィーユ、クリスチャン・リズマン、フランソワ・ルソー、モルガンヌ・ル・ギャルといった写真家たちの作品が紹介される。(これも会期末 間際 7/31まで)  芸術とモードを有機的に結びつけようという見方は、ファッションとモードの国、フランスならではかもしれない。企画者のフランク・ペランによると、「芸術とモードは… (中略)…今日では、この二つを隔てる境界は益々希薄なものになり、互いの関係は益々複雑なものになっている。共通の領域ではモードはもう同業組合的なゲットーではなく、集団のイマジネーションのすべてを包括するものであり、生きたパラダイムである。モード写真は結局、現代を特徴づける様々な表徴の混淆を解読することのできる世界的なアイコンとなっている。モードとそのイメージは我々の社会にヴァイタリティーを与え、音楽と同じように、現在では、絶えず動いている世界で最も広く共有されている潮流の一つである。モードはもはや、単なる産業ではなく、今や創造のあらゆる分野に浸透している世界的なモデルであり、スタイルというものは結局、はかない我々の世代の脊柱であり、また同様に最も活発な領域のひとつである。」(日仏学院ホーム・ページ上のフランク・ペランの文章より引用) はたして、ペランが書いているように「芸術との境界は複雑なものになり、モード写真家はイメージの技術者というよりも芸術家に近くなっている」と楽観的に語れるかどうかは別として(そのときは、「芸術家」という概念そのものを問い直さなければならないだろう)、「アート」と社会のあり方を考える上で看過できない領域として浮上している面は否定できない。もしくは、芸術という観点から否定するとしたら、「ちゃんと」否定しなければならない領域であることは確かであろう。 会場:東京日仏学院 新宿区市谷船河原町15 03-5261-3933 6月10日〜7月31日 詳しくは日仏学院のホームページまで。  


1046 韓国現代写真展 報告 「風のように、水のように」 その3 (最終回) 深川雅文 2002/07/27 00:15

●風景 実景から真景へ  「報告その1」(#1024)で、キム・スンコンの言葉として、韓国写真の基本的な流れに「実景から真景へ」という方向があるということを紹介した。この言葉は、今回の展示における「風景」の表現においても強く感じられた。  ベー・ビョンウの自然風景(松や岩などを捉えたもの)の写真は、国際的にも高く評価されており、現在、東京国立近代美術館の常設展でも展示されているくらいである。たとえば、ビョンウの作品をアンセル・アダムスの風景写真と比較すると、その違いは鮮明になるだろう。モノクロの写真的イメージの繊細さに関しては、いずれも比類なきレベルにある。ただし、アダムスのまなざしは、物質的な自然を光のうちにいかに克明かつドラマチックに捉えるのかということに意識が強く働いているのに対して、ベー・ビョンウの作品では、樹木や岩などの実際の存在物を取り巻くその背景、それらを包み込むような雰囲気、「気」そのものが主題となっている。地と図が反転するような構造は、おそらく韓国の自然と文化に根ざした自然観に由来するものなのかもしれない。  日本の作家である杉本博司と比べてもビョンウの独自性は見えてくる。たとえば、杉本の「SEA SCAPES」は、瞑想的な作品として海外では受け取られることがあるが、その瞑想にはいわゆる「禅的」な精神の集中が感じられはしないだろうか。それに対し、ビョンウの見方は分散的あるいは開放的であるように思われる。キム・スンコン氏は、カタログの論文中で韓国の自然観とその写真的表現の関係についても触れているが、独自の風土観は、もうひとりの重要な写真家キム・ジャンソップの風景作品にも感じることができる。
●写真モダニズムの問題 / 工芸性の位相  日本において、写真の受容は近代化とモダニズム受容の問題でもあったことは、極東の近隣国、韓国でも例外ではなかった。その受容は、日本と同様にもともとモダニズムの成立の社会的基盤がなかったところに移植されたがために、それが生まれた場所でのモダニズムの展開とは異なる歴史的展開を生む可能性を孕んでいた。  韓国では、80年代の開放化の進展のなかで、何人かの作家が欧米に渡り、当時の先端的な写真表現の洗礼を受けて80年代末に帰ってくる。彼らは、メイク・フォトやコンストラクティッド・フォト、演出する写真など欧米で進行した80年代の先端的な写真表現を自国にもたらし、大きなインパクトを与えた。  その中心的な作家のひとりにクー・ボー・チャンがいる。彼は、80年代から今日にかけての韓国現代写真の中心人物となった。クー・ボー・チャンは、ドイツで学んだ。展覧会に出品しているチョン・チューハもドイツに渡っている。アメリカで学んだ作家もいるが、ドイツ経由の影響は90年代の韓国現代写真での特徴のひとつである。  クー・ボー・チャンは、極めて多様な技法と作風を持つ作家であるが、彼の作品は、たんに欧米の傾向をそのまま導入するのではなく、韓国人作家としての出自を十二分に感じさせるだけの独自性を獲得している。今回は、子供の頃の記憶をモチーフにして蝶のイメージを緻密にピンナップした標本箱が展示されている。彼の過去の代表作に、写真イメージを布のように丁寧に縫い合わせたものがある。彼は、もちろんデジタル技術にも通じているが、そのイメージの制作過程と成果には、手業を重視した優れた工芸品のような風合いを示している。その点で、彼の作品は、欧米の作家による作品と際だった対照を見せている。ここにモダニズムの独自な展開を見ることもできるだろう。  クー・ボー・チャンに見られる工芸的な繊細さは、今回の展示の他の作家にも感じられる。例えば、写真で「張り子」の彫刻を作るグォン・オーサンの作品、写真にパンチ穴を開けたチェ・グアンホの作品、そしてベー・ビョンウの水墨画のような質感をもったプリント技法の冴え…。こうした手技による作品の質感の獲得は、日本の現代写真などでは見られない韓国現代写真のひとつの特徴であるように見受けられた。
●風のように、水のように  「実景から真景へ」という韓国写真の傾向は、その写真表現に、写真の質感からその被写体が本来もつと想定される「物質感」や「重量感」をさらりと抜き去ったような「軽さ」や「空性」を与えていはしないだろうか。写真でありながら、「実」を超え、しかしながら「虚」に赴くのではなく、その狭間から「真実」という意味での「真」ではなく、別の言葉で言えば「まこと」という意味での「真」の境地を垣間見せるような写真。言い換えれば、物質的な感触を滅却しながらも「無」にならない、その意味で「風のように、水のように」流れゆくイメージ。  今回の作品だけを見て、韓国の写真の本質を言い当てることは無謀な試みにちがいないが、にもかかわらず、物からも人間からも心を解き放つ浮遊的なビジョン、集中的な凝視ではなく全体を茫洋と視覚化する見方など、日本人である僕にとって新鮮な発見が幾度も呼び起こされた展覧会であった。 了 ※「韓国現代写真展 人・風」展は、いよいよ7/28で終幕を迎える。


1048 細川 文昌写真集「アノニマスケイプ」完成(100部限定) 深川雅文 2002/07/28 09:16

行き倒れの公証告知の文面とその場所の現代の状況を二つあわせた作品「アノニマスケイプ」で、今年のフィリップ・モリス賞も受賞し、注目されている細川文昌が、同名の作品を本にした。これは本の形でも見てみたいと思っていた作品なので楽しみである。限定版なので、一般の書店には並ばないが、下記の書店で入手できるという。 ・小笠原郁夫氏の書店 http://www.book-oga.com/frameset/framesetwasho.html ・青山のNADIFF   また、細川は、以下の展覧会に出品することになっている。 平塚市美術館(〒254-0073 平塚市八幡1-3-3) 「20世紀。美術は虚像を認知した〜モナ・リザとマンモンのあいだで〜」展 2002年8月3日(土)から9月23日(祝) 9:30-17:00 http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/kikaku.htm 活動の場が広がっているようだ。


1049 東川からの報告 尾仲浩二j 2002/07/28 10:43

7月27日第十八回東川賞授賞式 会場の東川公民館大ホールのある羽衣公園では町民参加のフリーマーケットや屋台が出て仮装行列やよさこい踊りのコンテストなども行われました。(花火もすごかった) 今回の東川賞の受賞者は、海外作家賞はEdwinZwakmanというオランダの方で、自作の模型を撮影して大きなプリントで発表というスタイルのひとです。 国内作家賞には、森村泰昌さんが受賞されました。初期のモナリザから川崎市民ミュージアムでもみられた開店祝いの花輪のようなものまで(さまざまな写真、さまざまな私)というタイトルで展示されています。ウォークマンでの解説も一部ありました。 なれないステージでの挨拶などでへとへとになりながらも、おいしい空気と料理でおいしくお酒の連夜です。 今日はこれから各作品を前に行われる受賞作家フォーラムです。 まずは報告まで!


1052 トヨダヒトシ・スライドショー Visual Diary / Slide Show 8/16  世田谷美術館 深川雅文 2002/07/30 07:17

写真家トヨダヒトシのスライドショーが、8/16(金)、午後7時より(開場18時30分)、世田谷区美術館 あべまきの広場という野外スペースで開催される(雨天の場合、世田谷区美術館講堂にて)。定員100名、観覧料500円。 案内のチラシには次のような見出しが書かれている。 「ニューヨークの片隅、街とともに移り変わる、 何気ない日々の出来事を写し撮った、スライドによる映像日記 日常のfraction(断片)が、夏の夕闇に浮かんでは消える、野外スライドショー」 トヨダヒトシは、1990年に渡米してニューヨークを拠点に活動してきた。 スライドショーと言っても、かなりの長尺のショーである。第一部の「 ゾウノシッポ」は40分。第二部の「The Wind's Path」も40分。まさに、ひとつの映像作品の上映と考えるべきであろう。スライドショーは、写真のプレゼンテーションの形式としてさまざまな可能性が潜んでいると思う。そういう意味でも、注目したい。 なお、当日は、ここで「写真感情」を寄せている北折智子さんも参加される[トヨダヒトシと北折智子]のアーティスト・トークも予定されている。 さらに、トヨダヒトシのスライドショーは、pgで8/23、8/24、8/30に開催される予定である(企画:北折友智子)。これに関してのコメントは、北折さんからいただけますか。 世田谷区美術館 世田谷区砧公園1-2 03-3415-6011 http://www.setagayaartmuseum.or.jp


1053 Re:高橋辰夫 「光とわたし」展 7/30-9/28 OFF SITE 高橋辰夫 2002/07/30 12:27

深川さん。ご紹介ありがとうございました。コメントは難しいですが、この間川崎で展示したtownという二人の少女のエピソードを中心とした映像と写真と絵画による展示です。タイトルはCHARAの同名の曲からとりました。この題から物理的な「光」をイメージされる方が多いみたいですが、どちらかというともっと卑俗なイメージ、もしくは内面の光への憧憬のようなものです。僕はここ最近はコンセプトを提示するアートのフォームに完全に飽きてきていて、もっと流出した先で拾われるような…、まったく関係ないですが梶井基次郎の小説に出てくる八百屋の光のような描写を美術的にしたいです。 で、OFF SITE はライブもあり、その日は鑑賞が困難になります。僕の在廊予定も含め、詳細知りたい方は3341-5557 OFF SITE もしくは070-5593-5458高橋まで


1054 原田晋展 Window Scapes faces 8/5-8/10 @ Space Kobo & Tomo 深川雅文 2002/07/30 23:32

今年の6月にart & river bank で、個展「Window Scapes」を行った原田の新たな展覧会である(原田の作品については、「サイトグラフィックス考」においても触れた)。原田は、TVモニタを撮影している。前回の展示では、世界の名所、宇宙空間、地球上のさまざまな生き物などをアウト・フォーカスで撮影した作品を発表した。今度は、同様なやり方で人物を撮った作品が展示される。 Space Kobo & Tomo 中央区銀座1-9-8 奥野ビル地下 03-3538-3250


1055 いよいよ始まる CCD-Unit Collaboration 2002 8/1-8/5 深川雅文 2002/07/30 23:36

小林のりおさんから、標記ウェブ展のご案内をいただきましたので、再度、お知らせします。以下、小林さんのメールより引用させていただきます。小林さん、ありがとうございました。 *************************************************************************** CCD-Unit Collaboration 2002 会場 http://CCD-unit.com/ 会期 8月1日(木) 00:00 - 5日(月) 24:00 出品者 丸田直美 + 佐藤淳一 + 高橋明洋 + 小林のりお   毎年開催している Web 上でのコラボレーションです。 1999年から始めて、今回で6回目になります。 お暇の折は覗いてみてください。 小林のりお ****************************************************************************


1056 トヨダヒトシ スライド・ショーのお知らせ 北折智子 2002/07/31 17:58

http://www.setagayaartmuseum.or.jp/top/win_syuzo.html
深川さん、先日はご紹介ありがとうございました。 わたしたちは皮膚一枚で自分の内部と外部をわけているのだけれども内部にも外部にも謎を抱えて生きているように思います。 写真家はそこにカメラを介在させて、かろうじて何かをなりたたせ、その謎を確かめようとしているのでしょうか。 いまはなきモール・ギャラリー、タカ・イシイ、ナディッフ、プロジェット、サードギャラリーAya、あるいは青山学院女子短期大学、神戸芸術工科大学にてと、トヨダヒトシはNYと同じくひとつひとつ確かめるように愚直な足取りでスライドショーを行ってきました。彼はスライド上映以外での発表形式はとっていません。 寡黙な写真です。見手が Ready か(準備ができているか)否かで、評価はまったく異なるかもしれません。 映画のサービス・デーと同じ千円を払う価値があるのかどうか? その判断も作家は潔く あなたにゆだねるでしょう。 三日にわたる上映会のあいだ、毎回、アーチスト・トークを行いますが、以下のような内容を予定しています。 第一夜☆撮ることで自分を成り立たせている写真家がある日、何も撮れなくなったら? 作家が一生、制作を続けるとはどういことか? 主題はやがて風景論にスライドしてゆく・・・ 第二夜☆孤高の映像作家山本安徳、ナン・ゴールディン、ロバート・フランク。トヨダが影響を受けた作家たちとの交遊とともに、撮る者と撮られる者の関係性について語ります。 第三夜☆写真家はみな孤独を愛する旅人。それが異境であれ、インナー・ワールドであれ。つれづれなるままに旅について語ろう!       逃げ出したくなるような暑さですが、足をお運びいただければ幸いです。 「写真感情」の読者の方々にもお会いできるとうれしいです!  Hitoshi Toyoda 映像日記 スライドショー An Elephant's Tail ゾウノシッポ        1999 サイレント 40分 1992年から1997年までの五年間を三部構成でつづった長編スライドショー。 11211                      2000 サイレント 45分 ある冬の終わりから夏へと向かう日々を三台のプロジェクターと二面のスクリーンで見せてゆく。 The Wind's Path 2001 サイレント 40分 作家があるひとつの域に到達したことを感じさせる最新作。 2002年 8月23日(金)・ 24日(土)・ 30日 (金) 7pm / 8pm 各回入れ替え制 admission エ1,000 ワンドリンク付き  半券を示せば二回目から エ800 各回とも8時の回終了後に北折智子のナヴィゲートによるアーティスト・トークあり。 定員に限りがありますので、ご予約をお勧めします。電話での受付はいたしておりません。 ファックス 03-5368-2632  e-mail pp@office.email.ne.jp pgまで 23日 7pm The Wind's Path 8pm An Elephant's Tail 24日 7pm An Elephant's Tail 8pm The Wind's Path 30日 7pm 11211 8pm The Wind's Path ☆8月16日(金)世田谷美術館での野外上映会についてはこちらをごらんください


1057 2002年夏休み こども写真事情 深川雅文 2002/07/31 23:03

実は、今週は火曜日より、川崎市市民ミュージアムの夏休みこども写真ワークショップを開催していて、3日間、子どもたちに写真を教えています。このワークショップは、開館時より毎年やっているので、12回以上やっています。初期の頃は、今や木村伊兵衛賞も受賞した松江泰治さんが教えていました。その後、松江さんが作家として忙しくなり、僕がバトンタッチしたという経緯があります。学校教育で、写真を学ぶ場がまったくないのだから、美術館で試行的にやるしかないなというのが発端でした。引伸し機のブースが8つあり、1ブースに二人という計算で定員は16人です。 プログラムは、まず写真の原理を体験するという意味で、第一日目、巨大なカメラ・オブスクラの中に子どもをひとりづつ入れ込み、その中で外から入ってくる光の画像を見つめさせます。こどもにとっては、衝撃的な出来事のようです。そして、光の画像を物に定着させるためには、感光物質が必要だということで、フォトグラムの実験を行います。その後、外での撮影、現像の仕組みの説明を経て、二日目は、ネガフィルムからの引伸し、三日目は、できた写真を選び、台紙にはり、タイトルをつけて発表させます。という具合に進みます。展示場のコレクションを見せることもあります。 前置きが長くなりましたが、今年のこどもたちは、これまでのこどもたちとは少し変化が見えるのでそれについてお伝えしようと思ったのです。フィルム式カメラを手にして「モニターはどこにあるの?」。ふむふむ。デジカメが普及しているな。ということで、デジカメと旧来のカメラの仕組みについても話すことになります。いずれにしても、カメラ・オブスクラが基礎になっているということを子どもたちの頭に叩き込みました。 今回、こどもたちの応募数がかなり多く、抽選倍率がとても高いのに不思議に思っていました。写真って、小学生でもブレークしそうなのか、そんなことありか? さらに、撮影させ引伸した写真を見てsurprising!。 何人かのこどもは、イメージ・メーキングを楽しんで写真を撮っていることが明白だったからです。たとえば、6年生の女の子、友達同士二人組、仮にJ&Kとしておきましょう。J&Kは、互いにモデルになりながら、たとえば手のひらに街灯が乗るような構図を写真の中で作ったりしています(まさか、ケネス・ジョセフソンを知ってるんじゃないだろうね)。Jは、さらに、引伸しのときに、ネガを二枚重ねてみたらどうなるの、と言って実験しました。刺激を受けたKは、どのコマとどのコマが二枚重ねで面白くなるの、と言いながら不思議な写真を作り出しました(J&Kは、女の子ユニットとして将来の木村伊兵衛賞受賞を目指して、特訓させてみようかな)。ひょっとしたら、今のこどもたちは、デジカメやプリクラなどでイメージ・メーキングに高い関心を持っているのかもしれないと感じました。これは一例ですが、他のこどもたちの写真からも、写真に対する取り組みや関心が変わってきていることを実感させられました。写真の未来は明るいかも?いや、こうした体験が学校教育の中では伸ばす場がないという状況はまだまだ変わりそうにはありません。 というふうに考えていると、アシスタントをしてもらっているひとりが、3年生のFちゃんのこと知ってますか。いや。「アラーキーに写真撮ってもらったの。今度、××雑誌に出るんです」と言ってました。そういえば、彼女はアイドル顔でさもありなんと納得。そのアラーキーの影響もあって写真ワークショップに来たのかもしれない。で、アラーキーが撮った彼女の写真はどんなものなのだろう、と気になってしかたありません。 明日が最終日。子どもたちの作品は、月末までミュージアム3階の回廊部分で展示しています。


1058 カーメル・ワークショップ修了展 8/13-8/18 東京写真文化館 深川雅文 2002/07/31 23:08

 アンセル・アダムスの精神は、21世紀に入っても生き続ける。 カーメルでのゾーン・システムのワークショップの参加者10人の修了展である。 東京写真文化館 港区赤坂3-9-1 紀陽ビル内 03-3505-2335 http://www.tpcc-akasaka.com/


1059 川口現代美術館スタジオ 北島敬三 2002/08/01 01:16

下記のお知らせが届きましたので、アップします。
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川口現代美術館スタジオ/サイトでは、7/27より 「かわだ新書」プロジェクトのHPをオープンしました。 http://kawaguchi.site.ne.jp/kawadashinsyo.html 「かわだ新書プロジェクト」と名付けられたこのアートプロジェクトは 公立美術館、ミュージアムショップなど全国35ケ所のポイントに 同じ作品を配置し、自由に手に取って見て(読んで)頂くというものです。 作品は、中身(テキスト)も装丁も作家の造形による「新書判」の かたちをしたアーティストブックです。 このアーティストブック『アートする美術』の著者は河田政樹です。 河田政樹は1973年生まれで、メジャーデビューが 「ひそやかなラディカリズム」展(東京都現代美術館)とあって、 一部で「ひそやか系」と呼ばれているようです。 「アートとはなにか」をテーマに制作活動を重ねている作家で、 発表においては「<アート>と呼ばれる瞬間」を見る人に「委ねる」と いうスタイルを貫いています。 今回、画廊や美術館の展示室という美術のための空間から一歩はみ出し 鑑賞者の側に近付いて、アートとは?美術とは? という問いを 鑑賞者に投げかけ、そしてフィードバックから 改めて(アートの)「意味」を問い直してみようという試みです。 アートを基軸とした活動において、インターネット上の「場」を提供 できる事業として、川口現代美術館スタジオ/サイトはこのプロジェクト のHP開設を協力させていただくことにいたしました。
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かわだ新書HPの開設と前後して、川口現代美術館スタジオ/サイトHPを 更新しました。 記録集『川口現代美術館スタジオ1999-2001』発行からまもなく1年が 過ぎますので、記録集の内容を反映させたHPへと随時更新していきます。 コレクション一覧についてはいまだ工事中ですが、これも徐々に解決して いきたいと思います。 今後ともどうぞよろしくお願いします。 川口現代美術館スタジオ/サイト運営事務局 村田 早苗 -- 川口現代美術館スタジオ/サイト http://www.kawaguchi.site.ne.jp/


1060 中里和人 青梅幻視画館 尾仲浩二 2002/08/01 10:52

いつも、凝った会場づくりで楽しませてくれる中里さんの展示が本日から始まります。 中里和人展 青梅幻視画館 8月1日〜31日 AM11:00〜PM7:00 会期中無休 会場 SAKURA FACTORY 0428-20-4555 JR青梅駅 東青梅駅共に徒歩8分 入場料 大人500円 高大生300円 小中生100円 今回は旧織物工場のなかでの展示で様々なイベントもあるようです。 詳しくは下記のページで http://www.mayugura.com


1061 photo-eyes アクセス件数5万件通過に寄せて 深川雅文 2002/08/03 06:52

すでにカウンターが示すように、photo-eyesのアクセス件数が5万件を突破した。7月、1か月の間の件数は約6500件であり、単純に日割りすると一日あたり平均210件超くらいで推移したことになる。一年半くらい前の立ち上げの時期とはまさに雲泥の差がある。 相変わらず、ネット上のできごとであるがゆえに、どのような反応があるのか、なんらかのしかたで機能しているのか、などについて書き込む側には雲をつかむような状態だが、この200件超という数字にはなんらかの意味があるはずだと言い聞かせて、進め、進めというところだ。ページの冒頭に書いているように、ここでのできごとは氷山の一角にすぎない。もっともっといろんなことが起こっているはずであるとの思いがある。であるがゆえに、そのほんの一端でも露出させることになんらかの意味があるのではないかとまた言い聞かせている。ところで、小生がアップした「サイトグラフィックス考」に、思いがけなく何人かの方から反応をいただいた。ネット上にこのような出会いがあるのだと確認。ありがたいことだと思う。 デジタルカメラの急激な普及は、私たちがいままさに変容のただなかにあることの一端を示している。こうした変容の振動を感じとることができるかぎり、photo-eyes はさらに前進する。木鐸というより、坑内のカナリアみたいなものか。それほどかわいくはないけど。おつきあいいただければ幸いである。


1063 状況メモ1 CCDUnit2002、あるいはCO(カメラ・オブスクラ) 深川雅文 2002/08/03 22:15

http://CCD-unit.com/ 8/1よりスタートしたWeb展、CCDUnit2002(http://CCD-unit.com/ 小林のりお、佐藤淳一、丸太直美、高橋明洋)を見た。小林は、outdoor life という新作。digital kitchenで台所をずっと撮ってきた小林が、久々に外に出たというところか。とはいえ、工場の廃屋の中で撮られたイメージなどには台所に通じる光の満ち方が感じられて、kitchenの延長のような見え方もした。戸外での妻のイメージ、80年代の小林作品を思わせるような風景のイメージも見える。kitchenであれoutdoorであれ、小林のヴィジョンに揺らぎはないようだ。 丸太直美は、ドライビングの途上で撮ったイメージを、走行中と停止したところと織り交ぜて提示している。続けて見ていくとスピード感を呼び起こすイメージだ。 佐藤淳一は、街の光景をスナップショット的に切り取ったイメージを提示。特筆すべきは、上下が逆転した画像をメインにしてアップしているところだ。 高橋明洋は、それぞれのイメージをフェイド・インとアウトを連続させて提示している。その中には、進行中のウェブ展のモニター画像そのものを写したイメージも入っている。佐藤の作品のなかでも、高橋と同様に、上下が逆転した画像がかなりの数で入っている。 上下逆転イメージが多数展開される様はとても印象的であった。数日前、子どもに写真を教えるのに巨大なカメラ・オブスクラの中で上下逆転した光の像を見せていたせいもあるのかもしれないが。いや、近年、ピンホール・カメラを用いた作家の作品が増えていることを考えれば、この上下逆転画像の現れは、たんなる流行や思いつきではない、イメージに対する今日的な感触の問題と関わっているのかもしれない。ところで、pgで「ドクメンタ・トーク」をやっていただいた宮本隆司も、ピンホール・カメラの作品を作り続けている。宮本さんとの打合せのときに、ピンホール・カメラの話も出た。そして、北島さんがピンホール・カメラの作品についてpg press01において批判的に語られていた部分をとらえて、ピンール・カメラの問題を議論しましょうという話も出ていた。たとえば「ピンホール・カメラは、写真原理主義か?」というようなタイトルで。昨日、北島さんから連絡があり、この企画、今年中に実現することになったのでお知らせしておく。その時には、おそらく、高橋明洋と佐藤淳一の今回の作品も俎上に上るはずである。 佐藤淳一と高橋明洋の作品を見ていて、このデジタル画像を「ピンホール・カメラ」あるいは「カメラ・オブスクラ」(CO)における上下逆転画像の問題の場と重ね合わせることが可能だろうか、と自問しているところだ。 CCD-unit展は8/5まで。


1064 東川町海外作家賞受賞作家 エドウィン・ズワックマンとの出会い 深川雅文 2002/08/05 16:17

先週の7/30に、今年度の東川町海外作家賞を受賞したオランダ人作家の、エドウィン・ズワックマン(Edwin Zwakman)が川崎を訪れ、作品を見せてもらい話をすることができた。彼の作品については、日本ではまだあまり知られていないと思うが、東川に行けなかった人にもぜひ見る機会があればと思わせる作品である。 いわゆる「風景」の作品ではある。大型カメラで風景を緻密に細部まで捉えているような写真であるが、どこかに違和感がある。その違和感の理由は、恐ろしく自然に見える風景が実は彼自身が精巧に制作したミニチュアのマケットであることに起因するのだろう。 「サイトグラフィックス」の概念について彼に説明したところ興味を示してくれた。「サイトグラフィックス考」で明示的には論究しなかった部分(「新たなピクトリアリスム」)を、彼の作品は明確に示していたので僕にとっては嬉しいかぎりであった。この件については、あらためて「状況メモ」でコメントしたいと思っている。 尾仲さんは、実際の展示をご覧になっているので、ご感想をうかがいたいところだ。


1065 状況メモ2 「ピクトリアル」(pitctorial)から「ピクト・レアル」(pict-real)へ 深川雅文 2002/08/06 00:05

先週(7/31)の朝日新聞夕刊の美術欄は、松涛美術館で開催中の「石田喜一郎とシドニーカメラサークル」と大丸ミュージアムでの「木村伊兵衛」展をとりあげていた(執筆:編集委員 田中三蔵氏)。見出しは「絵画主義とリアリズムの相克と補完」とあり、前者の展覧会と後者の展覧会を「写真」表現の歴史全体の構造的な特質-絵画主義とリアリズム-を示すものとして挙げていた。そして、まとめとして(以下引用)“…一時は敗れ、消えたかに見えた写真における「絵画主義」が今、現代美術のなかで、形を変えて再生している。写真の「絵画主義」と「リアリズム」は、今後もあざなえる縄のごとくからみあい、相克と補完を続けるだろう。…” 田中氏のこのまとめの部分は興味深い。この論評のなかでは、「現代美術のなかで、形を変えて再生している」写真の「絵画主義」がいかなるものであるかについての具体的な言及が皆無なので、想像力で補う必要がある。その部分を強引に敷衍してみたい。具体的事例として、僕だったら、「サイトグラフィックス考」でも引き合いに出したアンドレアス・グルスキーをその最右翼の作家として挙げるだろう。さらに、さらに現在、横浜美術館で開催中のジャン=マルク・ビュスタモントの写真の仕事、そしてすでに紹介したオランダ人作家のズワックマンの作品などを挙げることもできるだろう。こうした作家の仕事に見られるように、「絵画的なもの」へ深くコミットしている作品は、田中氏のいう「絵画主義の再生」に関係しているといえるだろう。 ただし、こうした傾向は、19世紀末から前世紀の初頭に華開いたいわゆる「絵画主義/ピクトリアリスム」とは質的に異なる。写真的特質を絵画的特質に従属させるより、むしろ写真の画像的特質を極端に高めながら、視覚的な愉悦に満ちた世界のビジョンの提示と再生へと向かっている。絵画主義的なのは、技法ではなく、その目的である。この新たな絵画主義の特質を言い表すとしたら、旧来の“pictorial”ではなく、“pict-real”という形をとるのではないだろうか。たとえば、グルスキーにおける精妙なデジタル処理。また、#1064で紹介したズワックマンはデジタルを用いないが、マケット制作において‘real’の度合いを高めるという具合である。(デジタルのピクセルによる画像の可塑性の高まりは、“pict-real”な写真にとって比類ない武器となるだろう。“pixel-real”) かつて20世紀のモダニズム写真は、ピクトリアリズムへのアンチテーゼとして写真の自律性を打ち立てたかに見えた。21世紀の絵画的写真表現は、写真の自律性を下敷きにしながら、そこを踏み台にして表象のヒエラルヒーの上層へとイメージを結晶化させるようなふるまいを見せている。とすれば、ここで取り上げている絵画性とは、表象のヒエラルヒーの存在の措定とその上層へ向かう意志ということが可能であるかもしれない(あくまでも、現時点では「かもしれない」)。 ところで、「サイト・グラフイックス考」で紹介した片山博文は、“Vectorscape”で、ベクトルデータで風景を微細に再構成した作品を発表した。デジタルによる風景の再構成であり、その意味で“pict-real”であるが、海外作家の仕事と比べて、表象のヒエラルヒーを感じさせる部分は希薄である。これは、日本人であるがゆえの、絵画との関係のありかたの違いが関係しているのかもしれない。


1066 “thinking of dog's death” 8/10-8/17 @ art & river bank 深川雅文 2002/08/06 23:15

“thinking of dog's death”=「犬死について考える」という挑発的なタイトルの展覧会である。終戦(敗戦)記念日でもある8/15をはさみ、戦争についてコミットする展覧会とお見受けした。ただし、それはアートによってのコミットメントであるがゆえに、たんなる政治的なデモンストレーションではけしてないだろう。 案内のハガキのコピーより引用すると「…死の真相を伝えないまま、毎年繰り返される慰霊ほど、彼らを侮蔑するものはないだろう。彼らの死の真相を想うこと。dog's deathという死の真相を」とある。さて、どのような展示になるのか。参加作家は、オザワ・アキラ、イナ・エイジ、a.s., ハラダ・ススム、タカハシ・タツオ(漢字名が不明な作家の方がいらっしゃいますのですべてカタカナで開かせていただきます)の四名。 展示時間は、真夏ということもあり変則的になっているのでご注意を。17.00-21.00です。ただし、終戦(敗戦)の日8/15のみは12.00から。月曜日8/12も休まないとのこと。夏の暑さに満ちた空間ほど、dog's death について考えるにふさわしいところはないかもしれない。期間中、Bar“川の家”がオープンする。多摩川のほとりのギャラリーで、夕涼みとともに、夏の暑さを心に刻みながら展示と会話を楽しんで“飲む”という趣向だ。 art & rieve bank 大田区田園調布1-55-20 208号 東急東横線 多摩川駅 徒歩3分 03-3721-9421


1067 セバスチャン・サルガド写真展「EXODUS 国境を越えて」 8/31-10/20 @Bunkamura ザ・ミュージアム 深川雅文 2002/08/06 23:31

20世紀を「難民の世紀」として描くこと。セバスチャン・サルガドの今回の大展覧会では、40以上の国と地域で取材した「難民、亡命、移民」をテーマにした写真約300点が展示される。その中には、1990年代半ばのアフガニスタンの状況を捕らえた写真もある。 サルガドの個展としては、すでに、東京国立近代美術館、今回と同じBunkamuraザ・ミュージアムで開催され、今回は三回目の大展覧会となる。前回のBunkamura ザ・ミュージアムでの展覧会のとき、来日した作家に会ったことがある。アフリカ取材中に患った熱病からやっと回復したばかりのサルガドの握手した手がやけに熱かったことを思い出す。 「サイトグラフィックス考」で描いたような写真の「場」からの離脱という方向が一方で鮮明になりつつあるなかで、「場」を指し示す写真の力についてあらためて考えさせられる展示となるのかもしれない。 Bunkamura ザ・ミュージアム 渋谷東急本店横 http://www.bunkamura.co.jp/ 03-5777-8600


1068 CD-ROM作品集『小本 章 Akira Komoto -seeing- action/painting/photo vol.2』リリース 深川雅文 2002/08/08 00:31

小本章(1935年東京生まれ)は、1983年の東京/京都国立近代美術館での「現代美術における写真」展、1987年、栃木県立近代美術館での「現代美術になった写真」展などで紹介され、80年代の現代美術と写真との関係を見る上で重要な美術家として活躍し、その後、今日にいたるまで国内外で制作と発表を続けてきた。 その小本が、1998年以降の新作を中心に80点をまとめたCD-ROM作品集をリリースした。小本の手法は、風景写真の中に、さまざまな物を介在させ、画筆の技により写真画像上に色彩と濃淡の「溶け込み」作用を引き起こし、その物と周囲の環境の境界を曖昧化し、日常的な風景を再構成するというものであった。時を経てあらためて小本の仕事に触れると、昨日の「状況メモ2」で触れた、デジタル加工、マケットに基づいた制作などによる風景の再構成という新たな流れと響きあう部分が見えてきて新鮮な感触を覚えた。 さて、このCD-ROMがどのような流通に乗せられるのか、現時点では不明でが、小本氏におたずねしようと思う。その後で、ご報告させていただきたい。


1069 8/3 折元立身パフォーマンス 「Selling Bread」 @ 川崎市市民ミュージアムのご報告 深川雅文 2002/08/08 00:35

去る8/3に川崎市市民ミュージアムで開催された折元立身の新作パフォーマンスについてのご報告しておこう。イベントには、100人を超える観客の方々が集まり、盛り上がりを見せて無事終了した。 約130平方メートルのスペースの長辺16メーターと短辺8メーターに、折元を含むパフォーマー25人が、売り子としてギャルソン風に正装し首からパンが盛られた箱をかけて、生きた彫刻として整然と立っているところから始まる。新作では「パン人間」は登場しない。折元のソロ、そして「フリーダム!」というかけ声で始まる全体のSellingパフォーマンスが繰り広げられた。無言のままにSelling Breadという行為を介して観客とのコミュニケーション、そしてBread Seller同士のコミュニケーションがいたるところで生じてくる。その後、再び全員整列して立ち、静寂に戻るなか折元のソロが続き、その後、折元が全員を引き連れて退場して終了した。 使用したパンの数は約700個。観客の皆さんが折元にサインをしてもらい記念に持って帰ったパン以外は、川崎の小学校で飼育されているウサギたちの餌になることになった。ところで、本パフォーマンスの前日、パフォーマーたちの立ち姿の写真撮影が行われた。撮影された写真は、今年の秋のベルリンでの展覧会で大きく引き伸ばされて展示される予定だ。なお、パフォーマーには東京芸術大学の取出校の一年生17人とミュージアムでの博物館実習生のボランティア7名が参加した。ほとんどの学生にとって、初めての経験であったが、熱演であった。


1070 お盆休みか 深川雅文 2002/08/08 11:30

はや立秋となり暦上では「残暑お見舞いもうしあげます」。 だから、みなさん残暑お見舞い申し上げます。外はそれどころではない暑さだけど、たしかに朝晩の風や蝉の声音に秋を感じたりもする。 ギャラリーも、夏の閉廊期間のところも多い。展覧会の案内も、一年の中では少ない時期となっている。あるいは、秋に向けての準備期間といったところだろう。ここ何日か、ここでの書き込みが展覧会情報ではなく文字のコメントが多くなっているのはそんなことも反映しているのかもしれない。 今週末まで開催の展覧会を週末に見に行くので、そのご報告など、来週の僕のお盆休み期間中にしていきたいと思っている。というわけで、来週は実家、佐賀からの書き込みとなります。いい夏を!


1071 北折智子「写真感情09」に注目、ご一読のほどを 深川雅文 2002/08/09 00:39

photo-eyesの北折智子さんのコーナー「写真感情」の最新の書き込み09を見て唸った。 神蔵美子の最新の写真集『たまもの』についての文章である。この写真集は、力作であり、神蔵の仕事としてもひとつのブレークスルーであるにちがいない。この写真集について、書こうと考えながら、考えるうちになにか壁につきあたるということを繰り返していた。そんなテイタラクな僕の頭を北折さんの文章はカランとぶっ飛ばしてくれた。最後の部分を引用させていただくと「セクシュアリティ。この深くて暗い川。へたに手をだすと溺れかねない。でもそれはあるんだよ。」とある。告白すると、僕がつきあたってしまった壁はその「川」なのである。男性の側からどうその川に身を処するべきなのか。しかし、その「川」に触れることなくして、この作品について語ったことになるのかという事態なのであった。ぜひご一読いただきたい。 北折さん、ありがとうございました。


1072 吉田公子「Princess of Bamboo」展 8/23-9/3 @ライトワークス 深川雅文 2002/08/09 00:42

筆者がらみの展覧会の案内で恐縮ですが、お知らせいたします。 *********************************************** パリ在住の吉田公子は、写真やビデオなど映像メディアを自由に操りながら独自のイメージと展示空間を制作してきた。近年、多彩な展開を見せている吉田だが、2001年よりセルフポートレートによる「花嫁」のシリーズで新たな展開を見せている。自らがさまざまな状況の仮想的な「花嫁」に扮して撮影するシリーズである。 今回の展示 "Princess Bamboo" は、この「花嫁」シリーズのバリエーションである。"Princess Bamboo"とは、竹取物語のかぐや姫をイメージした作品である。竹から生まれ、お爺さんとお婆さんに大切に育てられ、綺麗な女性に成長し、嫁入りの直前に天に帰っていくあのお話である。海外でも高く評価されている吉田の近年の代表作に、自らが天使を演じたセルフ・ポートレート作品があるが("White Angelic Selfportrait", "Red Angelic Selfportrait" など)、Princess Bamboo も天界に属する存在であることを考えれば、この作品は、吉田が手がけてきた天使のセルフポートレートからの展開と見ることができるかもしれない。 吉田は、パリを拠点に、ヨーロッパそしてイスラエルなどで数多くの展覧会に参加してきた。国内での大々的な作品発表としては、昨年、川崎市市民ミュージアムでのグループ展「outer/inter 現代写真の動向2001」に参加。国内での個展としては、ライト・ワークスでの展示が最初となる。 **************************************************************************** なお、関連イベントとして、作家を交えたギャラリートークが、会場内で8/24(土)の午後4時-午後5時30分に行われる。本展の作家、吉田公子と小生、深川雅文がトークを行う。入場無料。定員30名。 LIGHT WORKS EXHIBITION 14 深川雅文企画「吉田公子“Princess of Bamboo” 8/23-9/1 ライトワークス 横浜市神奈川区栄町5-1 YCSビル1階 045-450-5045


1073 斎木克裕、日米芸術交流プログラムでニューヨークへ 深川雅文 2002/08/09 00:44

今年の2月、3月にSCAI ギャラリーなどで展示を行っていた斎木克裕が、日米芸術交流プログラムの奨学金により今年9月より一年間、アメリカ・ニューヨークに滞在し、活動することになった。 今日、斎木さんとお会いし、今後の抱負などについて話すことができた。そして、ひょっとしたら、ここでご紹介できるような情報をいただくことができるかもしれないという期待をこめて、ニューヨーク滞在中、現地の情報をお知らせいただきたいとお願いした。考えてみると、アメリカからの生の情報が最近、希薄になっているような感じがするからだ。 斎木さんの滞在が実り多きものであることを祈っている。


1074 『新宿』森山大道写真展 尾仲浩二 2002/08/11 10:41

店内の壁面に月がわりで 写真を展示しているCAFEBERGから8月の情報です。 カメラを手に、夜は歌舞伎町から区役所通りへ、そして大久保通りを新大久保駅へと歩いていくとき、ぼくはときおり背すじがスッと寒くなる思いがする。特に何が起きたというわけでもないのに、どこかでひるむ自分を感覚する。ネオンやイルミネーションのもとで、路地裏の暗がりのなかで、人々の影の存在となって蠢いて映る。ぼくが手にする小さなカメラの視線に、それら影となった人々の、昆虫のように敏感な反応が電流となって伝わってくる。緊張感でぼくの身体の細胞が少しざわつき、辺りの空気がザラリとひと荒れして知覚される。新宿という都市は、もうかれこれ40年近くもこの街とつき合ってきたぼくにしていまだにエタイの知れない場所である。そこに身を置き目の当たりにしながら、新宿はそのつど、あたかもヌエのように正体をくらまし、迷路にまよい込んだごとくぼくの心の遠近法を混乱させ、そのエタイの知れない磁力がぼくを捉えて離さないのだ。   森山大道 新宿『BERG』7:00-23:00 8/19日以外無休 JR新宿駅マイシティーB1東口改札左の下り階段手前 コーヒーや生ビールが安くておいしい店です。


1075 展覧会情報です。 笹岡啓子 2002/08/16 20:46

写真展のご案内を頂きましたので、2つご紹介します。
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■近藤舞「スライドショー」 「御飯∞宇宙」■ULTRA endless version
■近藤舞 SLIDE SHOW        ■in The Third Gallery Aya
■2002|9|02[mon]―9|07[sat]
■15:00―19:00  96年ー西成区松二丁目に越して以来、  暮らしながらに撮った写真をエンドレスでスライド上映します。 …‥・
白いごはんをめぐる宇宙上のもろもろにメロメロになりつつも、  ほのぼのはほどほどに。侘び寂に可笑しみを添えて、心で盃かわします、礼。   …‥・ 近藤舞 1974 大阪府八尾市生まれ     1996 西成区松二丁目に越す     2002 「写場写場」創刊号にて「温ごはんを過日とともに」収録
■The Third Gallery Aya http://www.threeweb.ad.jp/~ayay/
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■写真展 「ガラスのカメラ−都会の生活のなかで 」   横浜みなとみらいギャラリー A&B    横浜桜木町 クイーンズスクエア イースト2F     会期: 2002年 8月26日 〜 9月12日  11:00−19:00

1、 8月26日(月)−9月1日(日) ギャラリーA    原英八 小椋由子 秦如美 山田大輔 齋藤匠平 2、 8月26日(月)−9月1日(日) ギャラリーB    船木菜穂子 安井香織 平田卓巳 難波健太 金善瓔 森花野子 城所秀美  3、 9月2日(月)−9月9日(月) ギャラリーB    向野実千代 吉田和貴 篠昭好 土田健太郎 谷口雅   4、 9月10日(火)−9月12日(木) ギャラリーB    アンデパンダン展 − 作品持ち込み自由の写真展 搬入10日午前中
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真っ黒な窓の向こうの稲光を見て、思考が一瞬止まる。視界にはなにも残らない、 ホワイトアウトした世界は、一瞬にして漆黒の闇へと遠ざかっていく。 シャッターが切られた一瞬とは、こういったものなのであろうか。漂白された世 界の像を見たいと思った。露光過度の画像は空白への投企、観る者の感情をさえ 漂白する。ことばを失わせてくれる白さは、光という白い魔術。世界認識の中断 が発生し、そこからの回復には一瞬以上の時間がかかる。時間と力がかかる。 都会の生活のなかで、視線はつねに暴力に犯され続けていく、圧倒的な物量攻撃 の前に、見ないという選択さえ困難である。見えたものを一瞬にして意識の外に 追いやっていく技術を養い育てていく。見なかったことにしておこう、それが平 安を保つすべなのだから。そして刺激には慣れるというやり過ごし方のなかで、 アンテナの感度を下げていく。 カメラを持つということは、そうした都会の生活のなかでの見ながら見ないとい う視覚麻痺からの復帰なのだろう。しかしながら、カメラを持つということでさ え、写真の枠のなかへの隔離という罠が待ちうけている。 ガラスのカメラ、あるいは漂白した世界の像をとらえてくれる。水晶球のように、 世界の像を閉じこめてくれる。透明なカメラのなかの透明な世界像。そこには、 過去ではなく、現在が写っている。ビデオや、デジカメの撮像素子がつねに現在 を写し続けているように、モニターがつねに現在を映し続けているように、ガラ スのカメラは現在を写し続けてくれるのだろうか。 写し続けられる現在の世界の像はすぐさま消えていく。とどめられることのない 現在、記録でもなく、記憶でもない像。 過去の再構築に飽きてしまった、記憶の再構築に飽きてしまった、これまでの写 真に飽きてしまった。 だが、つぎの写真は、まだ見つからない。 -----------------------------------------------------------
写真展です。暑い夏の疲れが残っている時期かとも思いますが、 横浜桜木町まで、いかがでしょうか。 会期を押さえたあとで、 会期のなかに【9.11】という日付があることに気づきました。 10.11.12の三日間、会場をオープンにします。 会場壁面にnet(網)を張り巡らし、クリップ等で持ち込んだ写真を留めるつも りでいます。 10日午前中の持ち込み搬入ですが、展示を希望されて当日都合の悪い方は、ご連 絡ください。


1077 Cold Burn Theatre by Lateral Landscapers 笹岡啓子 2002/08/18 19:40

先日photographers' galleryでトークイベントをされた宮本隆司さんも参加されるイベントをご紹介します。 ----------------------------------------- Lateral Landscapers (側生風景派/略称ララ派)登場! 写真もまた、ひとつの上演だと考えることができる。 では、その逆に、演劇の上演もまた、ひとつの写真行為なのだと考えることができるだろうか。 私たちMolecularは、ずっと、そのことに演劇的思考を注いできた。 とくに1989年以降、全面(四面)ブラインド装置や、前後二面の(24枚のタブローによる)ツイン・ラティス装置に基づく上演は、写真的思考ぬきには実現しえなかったにちがいない。 しかし、本格的に、上演における写真的身体を模倣しはじめたのは、1996年の「HO(ホー)の演劇」上演からだろう。そこでは、観客はあたかもファインダーを覗かせられて、舞台上で次々と現像された写真が、Colloque(コロック)が行われている客席に次々と展示されていった。 それ以来、現像演劇と撮影演劇がさまざまな布置と異型を繰り出し、やがて2000年〜02年の「直下型演劇」を側生するにいたったことは改めて言うまでもない。 こうした写真的上演に対して、写真とは本来別物である演劇に、こうした写真上のプロブレマテーク(問題系)を単に代入しただけではないのかと、いぶかしく思う向きもいよう。つまりは、写真をレトリックとして転用した、演劇的思考とは名ばかりの文学的表象にすぎないのだと。 今回、私たちが提起したCold Burn(低温熱傷)とLateral Landscape(側生風景)は、そうした疑似に少なからず応えるものである。「その通り、代入ですよ」と応えているか、「そうじゃなく、凡例ですよ」と応えているのか。それは一見して頂く以外にない。 豊島重之(Molecular芸術監督) モレキュラーシアター公演 ■Cold Burn Theatre 低温熱傷性演劇 2002 年9月7日(土)開場4:00 ・上演17:00(マチネ)  ・Colloque「Lateral Landscape(側生風景)をめぐって」18:20-19:40 ・レクチャー宮本隆司(写真家) ・上演19:50-21:00 2002年9月8日(日)開場1:00 ・上演2:00 ■Lateral Landscapers Show 2002 年9月7日(土)4:00-21:30 2002年9月8日(日)1:00-16:30 会場:国際交流基金フォーラム お問い合わせ:090-2998-0224 高沢利栄 fax0178−45−9247 mail mol@r66.7-dj.com 構成演出・舞台美術:豊島重之


1078 深川 Comes back. 深川雅文 2002/08/22 14:59

お盆を経て、突然に秋の気配すら感じるようになりました。 僕はというと、いろいろと宿題を抱えながらお盆の九州に帰郷しました。佐賀からの書き込みも考えていましたが、人間、生きていればいろんなことに出会うもので、帰郷した間、ネットにさわる時間をもつことはできませんでした。 そろそろと、Come backいたします。


1079 追伸:吉田公子「Princess of Bamboo」展 8/23-9/3 @ライトワークス 深川雅文 2002/08/22 15:16

#1072ですでにご案内しました横浜のライトワークスでの吉田公子展についての追伸です。どんな内容かと思っている方にもう少しだけ内容に即してコメントをさせていただきます。スタートは8/23より、8/24(土)は午後4時より作家とのトークショーがあります。 **************************************************************************
天使/メディア 深川雅文

天使は、かつて西洋絵画の重要なモチーフとして描かれた。たとえば、ルネサンスの画家フラ・アンジェリコの「受胎告知」のように。吉田公子の作品には、天使のモチーフが頻繁にあらわれる。たとえば、2000年に制作された「天使の顕現」(Angelic Epiphany)のように。 天使は、天界と人間界の間を往還する聖的かつ智的存在であるとされた。物質的存在でもなく肉体的存在でもないがゆえに、重力的支配を免れ、光のごとく忽然と顕現したかと思うと何かを告げ迅速に消え去る。つまり、神と人間のあいだのメディアなのだ。 吉田の産み出す多様なイメージには、あるときは蜉蝣的なゆらめきが溢れ、またあるときには光のような迅速感が走っている。その作品には、世界像の中に夢想される天使的様相を、外界のみならず自らの身体的振る舞いと装いも含めて作品に用いて、さまざまな映像メディアによってプロジェクトしよう(映し出そう)とする意志が貫かれている。 今回の展示「Bamboo Princess 」は、いうまでもなく、日本のおとぎ話「竹取物語」に霊感を受けている。婚礼という現実を前にしてにわかに天界へと戻っていくこの姫もまた、天界と地上界を結ぶ媒介者(メディア)であり、天使的であった。姫が去ったあとには、此岸を越えた宇宙的な世界像の煌めきが残像のように広がる。ここには、吉田が想う「女性」と「世界」のあり方のイメージも託されているのかもしれない。 **************************************************************************** LIGHT WORKS EXHIBITION 14 吉田公子展“Princess of Bamboo” 8/23-9/1 ライトワークス 横浜市神奈川区栄町5-1 YCSビル1階 045-450-5045


1080 papery50回目更新しました。 笹岡啓子 2002/08/22 15:23

前田恭二さんによるpaperyを更新しました。 今回で開始以来50回目の更新です。 pg-webスタート時からの1年10ヶ月間、コンスタントに更新され今回の更新分で、のべ240タイトルとなりました。このタイトル数、テキストで触れられた展覧会数も前田氏の見てきた展覧会総数の氷山の一角であると思うと感慨もありますが、これからも変わらず淡々とそのペースは続いていくようです。どうぞお読みください。 またご意見やご感想ありましたらメールにてお寄せください。


1082 「チョムスキー 9.11」 笹岡啓子 2002/08/22 16:01

映画のご案内です。 これからの時期この話題がまた少し増えそうです。

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「チョムスキー 9.11」 記録映画/35ミリ/カラー/74分/2002年シグロ作品 監督=ジャン・ユンカーマン  企画・製作=山上徹二郎 音楽=忌野清志郎
公式サイト:www.cine.co.jp
 ロックバンドU2のボーカル、ボーノが「飽くなき反抗者」と呼ぶ反骨の知識人、ノーム・チョムスキー。今年74歳になるチョムスキーは、現在もマサチューセッツ工科大学教授として研究を続ける言語学者です。言語学の世界に革命をもたらし、京都賞を受賞するなど世界中でその業績が高く評価されています。そして一方では、ベトナム戦争以来、アメリカの外交政策を批判する活動を一貫して続けており、特に昨年の9月11日におきた同時多発テロ以降、彼の事実に基づいた鋭い政治評論と発言は、アメリカ内外で高い注目を集めています。  本作は、アメリカにおけるもっとも重要な「アメリカ批判者」であるチョムスキーの最新のインタヴューとその活動の記録です。昨年の同時多発テロから1年、いま求められている言葉を、21世紀の知の巨人が誰よりも明解に語ります。監督は、画家の丸木位里・丸木俊夫妻を描いた『劫火−−ヒロシマからの旅』でアカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされたジャン・ユンカーマン。与那国でカジキと闘う82歳の老漁師を描いた『老人と海』で東京の劇場動員記録を塗り替え、日本庭園についてのドキュメンタリー「夢窓−−庭との語らい」ではアメリカ・エミー賞を受賞した、ユンカーマン監督、待望の最新作です。

下記のとおり9月11日に一般公開の完成披露上映イベントを行います。9月28日の劇場公開に先駆け1日のみの先行上映です。そしてゲストに、日本を代表する型破りな哲学者、鶴見俊輔さん、『世界がもし100人の村だったら』の対訳を手がけたC・ダグラス・ラミスさんをお迎えしてトークライブを行います。ジャン・ユンカーマン監督による舞台挨拶も予定。皆様のご参加をお待ちしております。 URL:http://www.cine.co.jp/chomsky9.11/schedule/schedule.html 『チョムスキー 9.11』完成披露上映&トークライブ 「あのテロはモーニング・コールだった」 日時:2002年9月11日(水) 場所:国際交流基金フォーラム 〒107-0052東京都港区赤坂2-17-22赤坂ツインタワー1階 最寄り駅:地下鉄銀座線・南北線「溜池山王駅」12番出口 都営バス都01系統(渋谷駅⇔新橋駅)「溜池」下車 URL:http://www.acejapan.or.jp/frm/map/jff_map.html ゲスト:鶴見俊輔(哲学者)C・ダグラス・ラミス(政治学者) タイムテーブル: 1.映画上映 14:30〜 2.映画上映 17:00〜 3.トーク  18:40?20:00 4.映画上映 20:20〜 (上映時間74分、各回入替え制。1回目+2回目の受付開始は上映開始時間の30分前となります) 料金: ≪映画のみ≫ 特別鑑賞券1500円(税込) チケットぴあ他各プレイガイドにて、8月16日より絶賛発売中。 チケットぴあ(Tel 03-5237-9999)Pコード:677−637 当日(税込):一般1800円/大学・高校生1500円(学生証をご提示下さい) ≪映画+トーク≫ 特別鑑賞券2500円(税込) チケットぴあ他各プレイガイドにて、8月16日より絶賛発売中。 チケットぴあ(Tel 03-5237-9999)Pコード:677−638 当日(税込):3000円均一 *チケットぴあのお店は全国各地にあるほか、ファミリーマート、セブン・イレブン、 サンクスなどにも端末があり、その場で予約や購入ができます。 なお、当ホームページでもチケットお申し込みを受け付けています。 URL:http://www.cine.co.jp/chomsky9.11/order/ticket.html
お問い合わせ/製作・配給・宣伝:シグロ(小川、山本)Tel 03-5343-3101 Fax 03-5343-3102        〒164-0001東京都中野区中野5-24-16 中野第2コーポ210  e-mail mailto:siglo@cine.co.jp


1083 Art Space Life Oyamadai Final展開催中+8/30トーク 高橋辰夫 2002/08/23 09:32

アペルの高橋です。これは以前自分が1年間やっていた名刺ケースに作品を入れて運び見せるプロジェクトの総覧展ですが、二階で新作も発表してもらい、かなり充実した展示になったと思っています。写真家も3人いますが、彫刻の荒井さんも含め、全体にフラットな作風で知られる人が集まっています。事後報告ですが先日8/21には山田大輔さんと関口国雄さんのビデオ作品上映と坂本政十賜さんのスライド上映とトークが開かれました。まずあり得ない組み合わせと思ってましたが、集めてみると不思議な共通項が見えたりして、グループ展のおもしろさについて考える契機にもなりました。8/30にはタナベマサエ さんによる資料映像の映写と、白坂ゆりさん、篠原誠司さんによるトーク(無料)もあります。みなさんのお越しをお待ちしております。 ■Art Space Life Oyamadai Final 高橋辰夫の名刺ギャラリー終了記念展 2002.8/17(土)〜9/3(火) *水曜定休 日-木/13時〜21時 金・土/13時〜23時 ・参加作家:タナベマサエ、坂本政十賜、関口国雄、山田大輔、タケトミ三重、泉沢儒花、荒井伸佳 ・イベント:8/30(金)21時〜22:30 入場無料 タナベマサエ 資料映像映写 トーク「名刺ギャラリーという展示場所」白坂ゆり(美術ライター)×篠原誠司(ギャラ ・場所:appel(アペル)世田谷区経堂5-29-20(経堂駅南口から農大通り抜けて右手)電話:03-5426-2411


1085 状況メモ3 「プロジェクション」に注目 深川雅文 2002/08/23 20:05

「Hitoshi Toyoda 映像日記 スライドショー」がいよいよ今晩と明晩、そして8/30にpgで開催される。さらに、大阪のサードギャラリーでは近藤舞スライドショー「御飯∞宇宙」が9/2-9/7に実施される。そして、ライトワークスでの吉田公子展「Princess of Bamboo」でも、プラスチックのイグルー(かまくら)の中での画像のプロジェクションが展示のポイントとなっている。ところで、パリのヨーロッパ写真館では「現代美術におけるプロジェクション」をテーマにした展覧会が開催されている。吉田は、この展覧会にも参加している。写真のプレゼンテーション形式としてプロジェクションは新たな意味を持ち始めているのかもしれないと思わせる事態ではないか。いずれその意味について考えてみたい。


1087 宮内庁三の丸尚蔵館 三島靖 2002/08/25 17:09

「細工・置物・つくりもの−自然と造型」(宮内庁三の丸尚蔵館/9月8日まで/月金休)について、前田恭二さんが「papery」08.21付に書いておられたコメントを面白く思い、私も見に行きました。  前田さんは写真に関係ない話とされておられますが、どうして、関係おおありのスゲエお宝が展示されているじゃないですか!  それは、昭和天皇が皇太子として成婚のおり献納された品のひとつ、明治40年製作の「写真画帖」(フォトアルバム)です。  大四切ほどで厚さ10センチ近いという存在感もなかなかですが、どぎもを抜かれるのは装丁がすべてべっ甲細工! こんなもんに実際に写真貼ったのかな、もし家族写真を貼ったんだったらどうなるんだ、ってな品。  チラシの写真をスキャンしてお見せしたいんですが、う〜ん、例のお花のマークもしっかり入っているしな〜(笑)。


1088 展覧会案内 8/26付 深川雅文 2002/08/26 22:16

帰省から帰ってきたら、展覧会のご案内が山と届いていました。その中から一部紹介します。 1. 「カメラと鉄道の友情 - プロからアマチュアまで-」 日本カメラ博物館JCIIライブラリー特別資料展9/3-9/16 JCII・クラブ25 入場無料 JCIIライブラリーは、写真の歴史に関する印刷物や写真資料の宝庫である。その中から、今回は、「カメラと鉄道」の関係を歴史的に辿ってみようという企画。カメラ少年だった方だけでなく、戦後、名取洋之助も深く関わった岩波写真文庫のシリーズの中から、『汽車の窓から-東海道-』(1954)を軸に、その背景をコンタクトブックや写真原稿で再構成するなど戦前・戦後の写真の歴史にも光をあてようという企画です。 千代田区一番町25番地JCIIビル 地下一階 3261-0300 2.Surface 宮島径写真展 9/2-9/8 PLACE M 案内の葉書から見ると、皮膚の上に和服の女性の像を投影した画像のように見える。あるいは重ねて焼いているのか。気になる画像である。 新宿区四ッ谷4-10 メイプル花上二階 3358-3974 3.鈴木良 「☆」 9/6-9/17 ライトワークス ライトワークスでの企画展である。現在開催中の「吉田公子」展の次は、平木収企画である。鈴木良は、パリ大学で写真の理論と実践を学びながら制作している。今回は展覧会のために帰国している。作品は、モノクロで、街灯を星のように撮ったもののようだ。といっても、横沢の作品とはかなり趣向は異なる。パストレイズでは近々、倉石信乃企画の展覧会も予定されている。 横浜市神奈川区栄町5-1 YCSビル 045-450-5045 4.写真新世紀 10周年記念展 Futuring Power 9/1-9/23 東京都写真美術館 チラシによると「十周年を記念して、歴代グランプリ10名の作品と、優秀賞受賞者75名の中から抜粋した作品約200点を紹介しながら、写真新世紀の軌跡をたどる大規模写真展」とある。詳細は、おそらく東京都写真美術館のサイトに掲載されていると思うのでそちらでご確認いただきたい。前田さんがpaperyで、写真美術館の展示について触れられていたが、こういう展覧会が写真美術館で開催されるとは開館時には予想できなかったことで、美術館を巡る状況の変化を痛感させられる。いずれにしても、この大写真イベントの10年が何だったのかということを考えるいい機会ではある。


1089 BOX東中野 プレゼンテーションゼミ第二期生修了プロジェクト「7人のブレゼンテーション」(鳥原学監修)&森山大道「写真との対話」 9/1 BOX東中野 深川雅文 2002/08/26 22:23

BOX東中野での二回目の「プレゼンテーション展」である。一回目の第一期生修了展については、ここでも取り上げた。今回どのような様相を見せるのか楽しみな企画である。さらに、前回はゲスト作家として山崎博が招かれたが、今回は森山大道が招かれている。これも、興味深いところである。 日時 9/1 19時30分-22時30分 会場 B0X東中野 03-5389-6780 中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下一階


1090 ホームベースによる「アタック・オブ・ザ・ハウス & ホームシアター」 8/16-9/1 ホームベースにて 深川雅文 2002/08/26 22:41

  気になる企画のお知らせである。案内によると「HOMEBASE は若手美術作家により構成される集団です。現在、東京都拝島にある旧米軍ハウスを制作の場とし、美術の新しい展開、ある方を実験的に実践を含め活動しています。今回の展示では、ハウスの3部屋にそれぞれの作家がインスタレーションを転じし、連日展示終了後には東京とロンドンを中心として活動する作家の映像作品を集めた企画上映会HOMETHEATERを開催します。…」とある。詳しくは、サイトをごらんいただきたい。 展示作家 和田昌宏 鷲山啓輔 服部孝平 上映作家 国内外の20作家  HOMEBASE 東京都昭島市松原町5-15-11ハウスP6 042-546-2132 http://www.tokyo-homebase.com/


1091 ビデオ「アンリ・カルティエ=ブレッソン - 疑問符」(サラ・ムーン監督作品 37分) 深川雅文 2002/08/27 22:53

ブレッソンに関する最近のドキュメンタリー作品である。見所のひとつは、ドイツ・デッサウの国外追放者キャンプで、ゲシュタポの女性諜報員が一人の女性に告発されて頬を殴られる場面。その場面の映像記録とブレッソンのカメラが捉えた瞬間とを比較して見ることができる。彼が何を捉えようとしたのか、なにが切り取られ、なにが切り捨てられたのかを考えさせられる。 VHSビデオ・モノクロ・カラー/37分/4661円


1092 ネーサン・ライオンズ写真ポートフォリオ「After9/11」リリース 深川雅文 2002/08/27 22:58

昨年の9.11の後、数ヶ月の間にネーサン・ライオンズが撮った写真のポートフォリオ。作品はディプティックス(二枚組)で7点。16×20インチのサイズ。 ネーサン・ライオンズというと、1966年にジョージ・イーストマン・ハウスで開催された「コンテンポラリー・フォトグラファーズ - 社会的風景に向けて」を企画したことで知られる、元来、キュレーターである。この展覧会の名前が、日本で「コンポラ」という言葉が使われるようになったおおもとであった。この展覧会では、ブルース・ディヴィッドソン、リー・フリードランダー、ダニー・ライアン、デュアン・マイケルス、ゲリー・ウィノグランドの五人の写真家が紹介された。 その後、ライオンズがどのような活動をしていたのか、不案内であったが、今日、ニューヨークのハワード・グリーンバーグ・ギャラリーの案内の中に、当のポートフォリオの紹介を見つけて驚いた次第。9/11を単に国家的モニュメントとして捉えているようには見えないが、案内状の一点だけの作品からではその真意は見えにくい。 9/6より、ギャラリーのサイトでその作品を見ることができるという。早く、見てみたいものだ。 http://www.howardgreenberg.com


1093 ロバート・メイプルソープ・レトロスペクティヴ開催 深川雅文 2002/08/28 13:49

最近「クレマスター」の日本上映企画など活発に展開を見せているフリーのキュレーター、清水敏男氏より標記展覧会のご案内をいただいたのでアップします。庭園美術館でのメープルソープ展の内容とどのような違いを見せるのか楽しみである。警察の眼は依然厳しいだろうから、あまり過激なものは見ることがかなわないかもしれないけど。以下、清水さんからのメールからの引用です。 ***************************************************************************** ロバート・メイプルソープ・レトロスペクティヴ まだまだ厳しい暑さが続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 私がゲスト・キュレーターをつとめます「ロバート・メイプルソープ・レトロス ペクティヴ」展が先週の土曜日札幌芸術の森美術館でオープン致しました。本展は 私が10年ぶりにキュレーションしましたメイプルソープ展です。今まであまり紹介されてこなかった初期の作品から、晩年の作品まで155点出品されております。また、 メイプルソープがパティ・スミスと暮らしていた若い頃に制作したネックレスや、 ビデオ(パティ・スミスを撮影した"Still moving"、リサ・ライオンを撮影した"Lady")など珍しい作品も出品されています。 秋には東京、来年には大阪に巡回しますので、みなさまのご来場を心よりお待ち申し上げます。 清水敏男 ★Robert Mapplethorpe Retrospective 協力:ロバート・メイプルソープ財団  ゲスト・キュレーター:清水敏男 企画協力:アプトインターナショナル ■会場■ 札幌:芸術の森美術館 2002年8月24日〜9月25日 主催:財団法人札幌市芸術文化財団、朝日新聞社 後援:アメリカ大使館、札幌市、北海道教育委員会、札幌市教育委員会 協賛:アルバイト北海道 東京:大丸ミュージアム・東京 2002年10月17日〜29日 主催:朝日新聞社 後援:アメリカ大使館 大阪:大丸ミュージアム・心斎橋 2003年1月30日〜2月11日 主催:朝日新聞社 後援:アメリカ大使館 ■出品作品■ 初期(1967〜70年頃)のドローイング、コラージュ、立体作品、ネックレス、1973 年頃のポラロイド写真、セルフポートレート、パティ・スミス、黒人ヌード、肖像 作品、リサ・ライオン、晩年の静物写真、ビデオ2点他 ◆このメールニュースのお問い合わせ先◆ 清水敏男事務所(担当:舟越葉子) 〒141-0022 東京都品川区東五反田5-21-13-606 Tel:03-5447-2891 Fax:03-5447-2892 


1094 NHK教育テレビ 8/30「知の集積が都市の未来をひらく-関西 研究都市の挑戦」(金曜フォーラム 23時-0時10分) 深川雅文 2002/08/28 22:49

http://www.kwansei.ac.jp/ 写真家で現在、関西学院大学総合政策学部メディア情報学科で教鞭をとる畑祥雄氏より、標記テレビプログラムのご案内をいただいた。これは、さる6月にNHK大阪ホールで開催されたシンポジウム「先端科学と分かの融合を考えるシンポジウム」をまとめたものだという。畑氏は、このシンポジウムにコーディネーターとして出演されている。具体的には、大阪・北摂にできる新たな街「彩都」の街づくりのプロジェクトに関するものである。ちなみに、この番組のオープニング映像は、畑氏の教え子たちが制作したものであるというので、それもお楽しみに。


1095 ニコンサロン特別展 土田ヒロミ展「FAKE ASPECT」 9/17-9/30 新宿ニコンサロン 深川雅文 2002/08/30 00:02

デジタル画像技術の発展によって、写真の記録性という神話が崩れつつあるという認識の下に、写真の可能性を探ろうとする土田ヒロミの試み。二つのシリーズで構成される。一つは、かつての土田の代表作の名をとった「新・砂を数える」、もうひとつは、ロードサイドに発見される消費装置(スーパー、ゲームセンター、モーテルなど)を色彩豊かに捉えた「Fake-scape」。「新・砂を数える」では、人の群れの中に作家自らの画像も合成されているという。土田の傑作「俗神」を知る人にとってはちょっとショッキングかもしれないが、現在の写真を取り巻く状況のなかで前進するとしたら、土田ヒロミのような作家でも自らを変えていかなければいけないという事態の反映であるのかもしれない。 新宿ニコンサロン 新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階 03-3344-0565


1096 第3回プリンターズ展 8/27-9/3 Gallery De Deco 深川雅文 2002/08/30 16:37

第3回プリンターズ展 8/27-9/3 Gallery De Deco ここではすでに一度ご紹介したが、日本における「プリンター」という仕事の位置づけを意識して写真の仕事を行っている写真家たちのグループに「日本プリンター協会」がある。本展は、その3回目のグループ展である。渋谷のル・デコで、23名の作家が出品する。参加者は増えているという。9/1に、出展プリンターのひとりであるハービー山口氏を迎えて午後三時より会場三階にてトークショーが予定されている。入場無料。森村さんのプリントを手がけた野々下猛さんも参加している。詳しくはプリンター協会のサイトをご覧いただきたい。 ギャラリー・ル・デコ 渋谷区渋谷3-16-3 TOWAビル  5485-5188 会期中のみの専用電話 090-3805-0687 http://www.printer-jp.org


1097 天江竜太 「Computer - Generated Photography」 9/10-11/8 fujikawa gallery / next 深川雅文 2002/09/03 08:42

フランス在住の作家、天江竜太(1967年生まれ)の展覧会である。 天江は、コンピュータを駆使した「風景」を作り出す作家として知られている。作品は、かなり大きなサイズで、今回四点が展示されるがそのひとつ「催眠術」は160cm×304cmある。国内では、1999年より二つのグループ展で紹介されてはいるものの、大規模な個展としては今回が初めてとなる。 fujikawa gallery/next 大阪市中央区瓦町1-7-3 06-6231-4536


1098 平成14年度 画像保存セミナー 10/25 東京都写真美術館ホール 深川雅文 2002/09/03 08:45

社団法人-日本写真学会が主催する同セミナーは、昭和59年より始められ、今年は19回目の開催となる。近年のこのセミナーの内容は、画像制作におけるデジタル技術の進展の急を鮮明に反映している。 案内によれば、「今回のセミナーでは、収蔵庫や虫害対策の問題など画像保存の基本的なテーマに加え、デジタル出力画像の保存性やその評価方法、新聞社におけるデジタル写真の活用と保存、大量のデジタル映像情報の管理や保存に取り組む新しい試みなど、現在の広範囲にわたる画像保存のトピックをとりあげるべくプログラムを構成致しました」とある。例えば、「各種デジタル出力が象の保存性と評価方法に関する最新動向(コニカ技術センター 加藤一夫氏)」など、興味深い講演が五本用意されている。 参加費は有料で、日本写真学会会員が6000円、会員外は8000円、学生は2000円となっている。参加申し込み方法、会費納入方法などの詳細については、日本写真学会のサイトあるいは事務局でご確認いただきたい。 日本写真学会 事務局 中野区本町2-9-5 東京工芸大学内 3373-0724  fax 3299-5887 http://www.spstj.org


1099 マーチン・ストゥーピッチ 「地理学を構成するもの」 9/3-10/10 フォト・ギャラリー・インターナショナル 深川雅文 2002/09/04 10:42

アメリカの産業遺跡を撮っている作家の作品である。例えば、かつて巨大な石油タンクが設置されていて、それらが取り去られた地面、廃墟となった旧製鉄所の高炉の土台などである。主に90年代に撮影されたものである。ニュートポグラフィックス以降のこの時期のアメリカの風景写真の状況を知る上で興味深い展覧会である。 ところで、ジョージ・イーストマン・ハウス国際写真美術館から送られてくるニュースを見ていたら、新収蔵作家の紹介のコーナーがあり、エドワード・バーティンスキー(Edward Burtynsky 1955年カナダ生まれ)という写真家が取り上げられていた。彼も、産業によって変えられた風景を撮っている。テーマとしては、ストゥーピッチと同じ方向性にあると言える。 こうして見ると、ニュートポグラフィックス以降の動きとして、北米・カナダの写真家たちのなかには、産業社会の痕跡に対する特別の関心が高まっていたのかもしれないと思わされる。 ストゥーピッチとバーティンスキーの写真には、水利ダムや砂防ダムを撮った作品もある。これらの作品は、当然のように我々にとっては柴田敏雄の「日本典型」を連想させる。柴田の80年代後半から90年代にかけての仕事は、時期的にはほぼ同時期に進行していたことを考えると、写真家たちのまなざしが向かう視線の同時代性も感じられるのである。 東京都港区芝浦 4-12-32 03-3455-7827 http://www.pgi.ac