■ 一太郎やWordでトンボを印刷するには ■ 戻る

 パソコンのワープロソフトで印刷物の原稿を作ったけど、トンボが付けられないので版下には使えない、なんてことがありますよね。パソコンを買うと、あらかじめMS-Officeや一太郎がインストールされており、これを使えば同人誌もバリバリ(死語)だ!なんて思っていると、トンボが付けられないので、仕方なく印刷した後で手作業でトンボを入れるとか、版下用の原稿用紙にプリントアウトしたものを切り張りするなど、思わぬところで手がかかってしまいます。仕事先で、印刷物を頼むのにワープロから出力したままの原稿で入稿し、高い値段で印刷されているのを見て、トンボを付けた完全版下にすれば、もっと安く印刷できるだろうにと思っている方もいらっしゃるでしょう。
 イラストや漫画中心の同人誌原稿の場合、原稿そのものにトンボを付ければよいので、簡単なのですが、文字中心の同人誌やビジネス文書などでつかわれる一般的なワープロではトンボを付ける機能が無いものがほとんどなので、別の方法でトンボを付けなければなりません。「一太郎」では、バージョンが10になってトンボが付けられるようになりました。しかし、たいした機能があるわけでもないのにお金を払ってバージョンアップするのは抵抗がありますし、職場で使っているものでは、バージョンアップの予算を捻出するのは、難しいでしょう(うちの職場では、何十本も一太郎が導入されていますが、バージョンは8または9のみです)。
 そこで、トンボを付ける機能の無い低いバージョンの「一太郎」(一太郎に限らず、どんなソフトにも応用できます)や「MS-Word」でトンボを付ける方法を、まとめてみました。「MS-Word」では簡単なのですが、「一太郎」の場合、他に「MS-Word」とオーバーレイ機能のあるプリンタが必要となります。オーバーレイ機能とは、あらかじめ用意したマークや罫線などを、印刷するデータに重ねて印刷する機能で、プリンタによっては、スタンプ機能などと呼ばれる場合もあります。この機能のついてない機種もありますので、利用できる人は限定されるでしょうが、会社などではそろっている場合が結構あるはずですので、ビジネス文書を安く印刷したい方などは、ちょっと試してみてはいかがでしょうか(私は、この方法で印刷代を10万以上浮かせた)。

 ■ MS-Wordの場合

 MS-Wordでは、トンボを付けるためのフリーのツール「トンボちゃん」というソフトが配布されています。Vectorなどを検索してみるとすぐ出てくるはずです。このソフトは、MS-Wordのアドインとして働き、作画機能を使ってトンボを作ってくれるようです。インストールは簡単で、解凍したファイルを任意の場所に置き(一般的には、Program Filesの中のOffice、またはWordの中のaddinsの中)、Wordのメニューの「ツール」→「テンプレートとアドイン」を選び、追加をクリックして、トンボちゃんのファイルを選ぶと、ツールメニューの中に追加されます。
 例として、B5サイズの本の原稿をA4サイズの用紙にトンボ付きで印刷する場合を紹介します。まず、あらかじめB5サイズで作った原稿の用紙設定をA4サイズに変更します。その際、ページの上下左右の余白や、縦横の文字数などを控えておき、増えた大きさの半分を各余白に追加します(ページもつける場合は、ページの位置も同じだけ移動させる必要があります)。例の場合(B5→A4)だと、縦40mm、横28mm増えますので、その半分、縦20mm、横14mmをそれぞれの余白に追加します。これにより、A4サイズの用紙の中央にB5サイズと同じレイアウトの内容が配置されます。そして、アドインからトンボちゃんを選択し、仕上がりサイズ(この場合はB5)を設定し、実行をクリックすれば、完成です。

 ■ 一太郎(あるいは他のソフト)の場合

 一太郎の場合は、ちょっと厄介で裏技的なやり方ですが、一度やってしまえば、後は簡単です。こちらもB5用の原稿をA4サイズの紙に印刷する場合の例を示します。
 まず、印刷する版下の用紙のサイズのトンボをつくります。MS-Wordを起動し印刷する用紙のサイズ(この場合A4)に設定します(文字の数などは、どうでもよい)。次にトンボちゃんを選択し、仕上がりサイズを設定(この場合B5)して、トンボを付けます。これにより、A4の白紙にB5用のトンボだけ配置された文書ができます。これをプリンターのテンプレートとして保存します。プリンターの説明書をよく読んで、分かりやすい名前で保存しておいてください。
 次に印刷する原稿を用意します。一太郎で通常通り作り終えたら、用紙サイズを印刷する用紙のサイズ(この場合はA4)に変更します。この時、上のWordの時同様、増えた分の半分のサイズを余白に追加し、広がった用紙の真ん中に元の原稿サイズのレイアウトが収まるようにします。そして、これを先程Wordで作ったトンボのテンプレートと重ねて印刷します。プリンタの説明書をよく読み、テンプレートとして先程のトンボのデータを指定し、後は通常どおり印刷すれば、O.Kです。
 一度、お試しを。

 試していませんが、トンボのオーバーレイファイルを作るのに、Wordとトンボちゃんを使う方法だけでなく、お絵かきソフト(たとえばPhotoShop)やドローソフト(G・CREWなど)でも、可能なはずです。用紙のサイズにあわせて、トンボを作ればよいのですから。ですから、「一太郎とWordとトンボちゃん」という組み合わせだけでなく「トンボを描けるソフトとワープロソフト」といった組み合わせで利用できるはずです。今度試してみます。
 アイデアとしては、単にプリンタのオーバーレイ機能を利用しただけなのですが、意外とこの機能は使われていませんし、自分が仕事用の文書の版下を作る際に一太郎とWordでトンボを付ける方法をネットで探したのですが、Wordはともかく、一太郎の方は結局みつかりませんでした。同じ悩みを持った人は、たくさん見つかりましたが(笑)。
 そこで、このページをまとめてみましたが、お役に立ちましたでしょうか?

[竹4号(2001/APL/27)]

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